「BEGINS≠YOUTH」で注目を集めるソ・ジフン、そのナイーブな魅力で鮮烈な印象を残した「青春ブロッサム」

2024.5.31(金)

BTSを一躍スターダムへと押し上げた代表的なアルバム「花様年華」を基にした二次創作ドラマ「BEGINS≠YOUTH」。クランクインから約4年の月日を経て配信された同作で注目を集めているのが、主人公である"7人の少年たち"。その中でも、爽やかで清潔感溢れるビジュアルで話題を呼んだのが、父親の言いなりで生きてきた"キム・ファン役"を演じたソ・ジフンだ。

今年4月に27歳を迎えた彼は、日本でもリメイクされた大ヒットドラマ「シグナル」(2016年)でデビューし、ロマンス時代劇「コッパダン ～恋する仲人～」(2019年)で脚光を浴びた若手の注目株。何より主演ドラマ「青春ブロッサム」(2022年)で見せた、傷ついた心を抱えた高校生役はハマり役で、「BEGINS≠YOUTH」のキム・ファン役とも通ずる"ナイーブさ"に魅了された人も多かったのではないだろうか。

６月18日(火)より女性チャンネル♪LaLa TVにてTV初放送される「青春ブロッサム」は、人気WEB漫画が原作の青春ロマンス。高校に教育実習に来たソマン(ソ・ジュヨン)の現在と高校時代を、ソマンの教え子たちの青春も織り交ぜながら紡ぎ出す。

母校に教育実習に訪れたソマンは、高校時代の初恋の相手・ハミン(ソ・ジフン)との思い出が詰まった美術室で突然倒れてしまう。保健室で目覚めたソマンは、助けてくれたボミ(カン・ヘウォン)から"うわごとでハミンという名前を呼んでいた"と聞かされる。その後、職員室に戻ったソマンはハミンの姿を目にして動揺するが、実際に目の前にいたのは、クラスの生徒・ジェミン(キム・ミンギュ)だった...。

ソマン役のソ・ジュヨンは、「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズの若手医師アルム役で注目された期待の女優。現在30歳ながらキュートな女子高生役もナチュラルに演じ、かつて10代の頃に置いてきた"心の重荷"をいまだ抱えるヒロインの感情の機微を繊細に表現した。

ソマンの教え子たちの顔ぶれも豪華。明るい笑顔の裏に闇を隠したジェミン役を"CG級ビジュアル"として注目を集める「PRODUCE X 101」出身のキム・ミンギュが演じている他、容姿端麗だが優しすぎるボミ役にはIZ*ONE(アイズワン)出身のカン・ヘウォン、ぶっきらぼうなジニョン役には新人ながら出演作が続くユン・ヒョンスがそれぞれ扮している。

爽やかな若手スターが揃った本作の中でも、ひと際存在感を放っているのが、高校時代のソマンの"秘密の恋"の相手として回想シーンに登場するハミンだ。実はソマンが見間違えたジェミンの実の兄であり、ソマンの記憶の中で存在し続ける本作のキーマンでもある。

第1話から、天使のような笑顔の"表の顔"と、隠れて毒を吐く悪魔のような"裏の顔"という裏表のあるハミンの二面性を巧みに表現したジフン。そのギャップが鮮烈で、美術室で絵を描いていたソマンに、自身の"裏の顔"を偶然知られてしまったことをきっかけに、2人は少しずつ距離を縮めていく。

クラスでは人懐っこい笑顔を振りまきながら、ソマンの前でだけは毒を吐き、「夏は嫌いだ。じめじめして息苦しい。時々おぼれそうになる」と憂いの表情を浮かべるハミン。好青年の仮面の下に隠れた、どうしようもないどす黒い影の部分を時折チラつかせ、ソマン同様、見る者の心をざわつかせる。

周囲には秘密にして付き合いを深めていくソマンとハミンの恋愛模様が、何よりも甘酸っぱくてエモいシーンの連続だ。美術室でハミンがソマンの前髪を切ってあげる場面では、短く切り過ぎて不満顔のソマンに「なかなかだろ？」と悪びれないハミン。ところが、その後でクラスメートに話しかけるフリをしてソマンの机に"ごめん"と書いたメモを置くなど、秘密の恋のドキドキを存分に見せてくれている。

ストーリーが進むにつれ、ハミンが抱えていた闇と苦しみ、そして彼がいなくなった本当の理由が明らかになっていく。ナイーブで繊細な高校生・ハミンがもたらす、さざ波のような感情...その余韻をじっくり味わいたい。

文＝酒寄美智子

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