オスカーの行方も気になる！トム・クルーズの想いと覚悟が詰まった「トップガン」のその後を紡ぎ出す「熱い」物語

2023.3.1(水)

トム・クルーズ史上最高の興行収入を記録し、昨年日本でも大きな話題を集めた「トップガン マーヴェリック」(2022年)。3月13日(月)(日本時間)に開催を控える「第95回アカデミー賞」授賞式では作品賞をはじめ6部門にノミネートされ、プロデューサーを務めるトム念願のオスカー獲得なるか？と注目を集めている。

2022年を代表するスマッシュヒットとなり、前作「トップガン」(1986年)の再評価にまで波及するほどの大成功を収めた「トップガン マーヴェリック」が、アカデミー賞授賞式直前という絶好のタイミングでスターチャンネル1にて放送。3月11日(土)には前作と合わせてシリーズ一挙放送される。

海軍のエリートパイロット養成機関"トップガン"を舞台にしたこのシリーズ。前作では、無鉄砲ではあるが操縦の腕は抜群のピート・"マーヴェリック"・ミッチェルが、アイスマン(ヴァル・キルマー)らライバルたちとの衝突、教官のチャーリー(ケリー・マクギリス)との恋、そして相棒グース(アンソニー・エドワーズ)の不慮の死といった様々な経験を経て、成長していく様子が迫力満点の戦闘シーンと共に描かれた。

当時CM出身として注目を浴びたトニー・スコット監督による、映像と音楽とファッションが融合したスタイリッシュな作風が支持を集め、要所で流れるケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」も大ヒットを記録。また、劇中でトム・クルーズ演じるマーヴェリックが着用したフライトジャケットやレイバンのアビエーターが大流行するなど、社会現象を巻き起こし、80'sカルチャーシーンを代表する1作となった。

そんな前作から実に36年ぶりの続編となった「トップガン マーヴェリック」は、「語るべきストーリーができるまで続編を撮るつもりがなかった」という言葉通り、過去に幾度となく立ち上がった続編案に興味を示さなかったトムが、遂に首を縦に振った渾身の企画だ。

トムが課した映画化の条件の1つが「リアルに撮影する」ということ。実際に俳優たちは最新鋭のカメラが搭載された戦闘機に乗りこんで撮影を行なっているのだが、トムは若手俳優たちが戦闘機での撮影に耐えられるよう3ヶ月にわたるフライトプロジェクトを自ら組んだというから驚き。本作への入れ込み度が尋常じゃないことが分かる。

そんな撮影が生むリアリティ抜群の映像はもちろんのこと、本作がここまでのヒットした大きな要因がエモーショナルなドラマ性だろう。前作の設定を随所で効果的に盛り込み、現実と同様、「トップガン」の中でも30数年の月日が流れているかのような、深みのあるストーリーが観る者の心を強く揺さぶるのだ。

今作では、型破りな性格が災いし大佐止まりのマーヴェリックが、極秘ミッションにあたるパイロットたちを鍛え上げるために、教官として"トップガン"にリターンするところから、物語が始まる。

ストーリーの軸となるのが、かつての相棒グースの息子で、パイロットとなったルースター(マイルズ・テラー)との確執だ。ルースターをグースの二の舞にはさせたくないマーヴェリックに対し、父の死の責任がマーヴェリックにあると思い込み反発するルースター。わだかまりを抱える2人が訓練を通しながら心を通わせていき、そして師と弟子として決死のミッションへ挑んでいくという熱い物語が繰り広げられていく。

ルースターにかつてのグースの面影を重ねながら、遠巻きにその姿を見つめ、物思いにふけるマーヴェリックのどこか寂しげな姿など、複雑な胸中を表情や佇まいで表現したトムの繊細な演技は胸を打つものがある。

またかつてのライバルで海軍の大将となったアイスマンも再登場。重い病に冒されながらも、若手パイロットたちを死なせたくない苦悩するマーヴェリックの背中を押す重要な役どころとして、短い出演シーンながら存在感を放っている。

さら前作ではマーヴェリックの元カノとして名前だけ登場したペニー(ジェニファー・コネリー)とのロマンスも。くっついたり離れたりを繰り返していたペニーに対し、マーヴェリックが自身の弱い部分を曝け出すことで関係を成熟させていくという大人の恋模様が展開。かつては感情のままに突っ走るマーヴェリックだったが、その人間的な成長ぶりもロマンスを通して描かれている。

俳優としての並々ならぬ覚悟を感じさせるハードなアクション、"マーヴェリック"という分身のようなキャラクターへの熱い想い――そうしたトム・クルーズのエモい感情と迫力の映像美がハイレベルで融合し、記録にも記憶にも残る傑作となった「トップガン マーヴェリック」。

近年のアカデミー賞ではあまり規模感の大きくない作品の活躍が目立っているが、エンタテインメント大作の代表格とも言える本作が、その風潮を打ち破るのか？世界中の注目を集めるオスカーの行方にも期待したい。

文＝HOMINIS編集部

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