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「あぶ刑事」ネタが盛りだくさん!?柴田恭兵主演のドラマ「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」

2024.5.28(火)

舘ひろしと柴田恭兵演じる型破りな刑事が数々の事件を解決していく、スタイリッシュでコミカルなアクションドラマ「あぶない刑事」(以下「あぶ刑事」)。1987年の放送開始以来、昭和・平成・令和と3つの時代をまたにかけて新作が制作されてきた人気シリーズだが、今年は8年ぶりの新作映画「帰ってきた あぶない刑事」が公開となるなど、いまだその人気は衰えていない。

義母兄弟を演じる柴田恭兵、仲村トオル
義母兄弟を演じる柴田恭兵、仲村トオル

(C)セントラル・アーツ

そんな「あぶ刑事」だが、テレビシリーズ第2期の放送終了後から数カ月後。世間の「あぶ刑事」熱が冷めやらぬ中、"ホーム・コメディ版「あぶ刑事」"とも言うべきドラマが放送された。それが「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」(1989年)だ。「あぶ刑事」ファン注目のドラマシリーズが東映チャンネルで放送される。

同作は、弁護士の父親が営む横浜の法律事務所に住む義母兄弟、フリージャーナリストの岸田法眼(柴田恭兵)と、大学生の北村則規(仲村トオル)が次々と遭遇する事件を解決していくさまを描き出したライト・アクション・コメディー。

(C)セントラル・アーツ

さらにふたりの父親の弁護士・北村敬太郎を演じるのは「あぶ刑事」の近藤課長役で知られる中条静夫。コミカルな味わいを出すために、多くのシーンでパジャマ姿で登場しているというのも同作ならではの味わい。「あぶ刑事」を手掛けたスタッフ・キャストが多数参加しているということもあり、個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるコミカルなやり取りや、激しいアクションなど、「あぶ刑事」を彷彿とさせるような内容は必見だ。

本作の製作を担当したのは、日活出身の黒澤満プロデューサー率いる制作プロダクション、セントラル・アーツ。松田優作の主演映画・ドラマ作品をはじめ、「あぶ刑事」「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズなどで知られる同社の作品群からは、数多くの若手スタッフやキャストなどが輩出されたが、本シリーズでも、第1話のメイン監督を務めた成田裕介を筆頭に、一倉治雄、鹿島勤、原隆仁(余談だが、息子の原廣利は最新作「帰ってきた あぶない刑事」の監督を務めている)ら、「あぶ刑事」で助監督(後に監督に昇進)を務めた多くの若手スタッフが参加。さらに撮影の柳島克己、仙元誠三、照明の井上幸男、技斗の高瀬将嗣など、セントラル・アーツ作品お馴染みのメンバーが勢ぞろい。勢いとパワーがみなぎった、時代の空気を感じることができる。

セントラル・アーツ作品の特色といえば、アドリブを積極的に取り入れ、現場で生まれるライブ感を大切にするところにある。「あぶ刑事」では主に柴田恭兵が率先して「役者もいろいろと提案していこう」と提唱し、現場では常にアドリブが飛び交っていたというが、本作でもその空気感は健在。劇中では「あぶ刑事」や「仮面ライダー」(北村の後輩・ハジメを演じた倉田てつをがライダー俳優であるため)のパロディはもちろんのこと、「ビー・バップ・ハイスクール」や「探偵物語」などのセントラル・アーツをネタにしたパロディーなどが次々と登場。

(C)セントラル・アーツ

さらに森恵演じる北村家のハウスキーパー・くるみが「あぶ刑事」のビデオを徹夜で見るほどのファンであることが言及されたり、劇中に登場する警察署の名前が「あぶ刑事」と同じ「港署」であったりと、遊び心あふれる「あぶ刑事」とのリンクネタも楽しい。もちろん元ネタを知らなくても楽しめるようなつくりではあるが、元ネタを知っているとさらに楽しめるようになっている。「あぶ刑事」では先輩・後輩関係だった柴田、仲村コンビが義母兄弟を演じていることを始め、パロディが盛りだくさんな本作は「あぶ刑事」ファンでなくても必見だ。

文=壬生智裕

放送情報【スカパー!】

勝手にしやがれヘイ!ブラザー(第1話無料放送)
放送日時:6月2日(日)17:00~
放送チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります