川栄李奈、役者として大切にしていることと今後の目標を明かす「日本アカデミー賞を取りたい」
2024.5.9(木)
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間宮祥太朗と佐藤二朗がW主演を務める映画「変な家」が2024年3月15日に公開された。
同作は動画制作者の雨穴がYouTubeに投稿した「変な家」を石川淳一監督が映画化したミステリー。マネージャーから引越し予定先の間取りが変だと相談されたオカルトを専門とする動画制作者の雨宮が、ミステリー愛好家の栗原さんに相談を持ちかけるが、その間取りには隠された秘密があったーー。
雨宮がアップした「変な家」の情報を知っており、共に真相解明に動くヒロインの柚希を演じるのが川栄李奈。作中でもキーマンとなる柚希の役作りや撮影現場のエピソード、役者としてのこだわりを聞いた。
――本作の出演が決まった時の心境を教えてください
「今回出演のお話をいただく前に雨穴さんのYouTubeを見てとても面白い作品だなと思っていたんです。このお話が来た時はもう『すぐやります!』と二つ返事をするくらい、撮影をするのが楽しみでした」
――意味深な間取りを発端に衝撃的な事実が明らかとなっていく新感覚の物語ですが、脚本についてはどう感じましたか?
「すごく不気味だなと思いました。最後まで先が読めない中で、最後の方は怒涛のゾクゾクする展開が待ち受けているので、どういうふうに映像として仕上がるのかすごく楽しみでしたね。ホラーでもなくサスペンスでもなく新しいジャンルの映画だと思うので、口コミとかで広まって、いろんな方が見てくれたら嬉しいです」
――もっとミステリー的な展開が待ち受けているのかなと思いきや、最後は予想外な結末で終わるんですよね
「そうなんですよ(笑)。ネタバレするといけないので詳しくは言えないんですけど、とにかくずっと不気味。ホラー的な怖さの中に、人間の怖さみたいなものもあって。もちろんそれだけではなくて、間宮(祥太朗)くんと(佐藤)二朗さんの絶妙なバディ感が見どころだったりもするので、そこもぜひ注目してほしいですね」
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――川栄さんは公式サイトで「ホラー映画ではないので、おばけが苦手な人も観られます!笑」とコメントされていたと思いますが、実際に観てみたらびっくりするシーンも多くて
「作品の出演が決まった時に宣伝の方から『ホラーじゃないです』と言われていたので、安心し切っていたんです。私もストーリーは原作を読んで知っていたのでホラーではないのは知っていたつもりだったんですけど、試写を観てみたら思ったよりも映像がホラーで(笑)。試写が間宮くんと一緒だったんですけど、終わったあと二人で顔を見合わせました」
――結構驚かせてきますよね
「おばけが出てくるとかではないんですけど、音とかで脅かしてくるじゃないですか。だから、映像を観た時にあのコメント間違ってしまったかも...って思いました。ホラーではないですよって言ってしまったけど、『びっくりはすると思います』と付け加えておけばよかったなって。そこはみなさんに申し訳ないなと思いましたね(笑)」
――ちなみに川栄さんは怖い話もお好きだそうですね。
「大好きです。特に日本のホラー映画が好きで、『呪怨』とか『リング』とかをよく小さい頃に観ていました。あとは幽霊とかではないんですけど、サイコパス系の映画も大好きです」
――日本を代表するホラー映画ですよね。実際に怖くなったりしないんですか?
「怖くはないです。というのもこの業界に入ってから、ホラー映画を素直に見れなくなってしまって。怖いという感情よりも、『このシーンってどうやって撮っているんだろう』という疑問がすぐに浮かんでしまうんです。職業病ですよね(笑)」
――川栄さん演じるヒロインの柚希については、どのような印象を受けましたか?
「すごくまっすぐで行動力に溢れた子だなと思いました。お姉ちゃんを探してもらうために雨男に接近して頼みに行くのってすごく勇気のいることじゃないですか。でも、監督からは最初はそういう役柄よりも、とにかく不気味に見せてほしいと言われたので、おばけみたいな不気味さを出せるように演じました」
――私は原作未読だったので、映画を初めて見た時に1番この子が怪しいだろうなって
「ほんとですか?それなら良かったです。最初は『何者なんだ?』という入りから私は入ったので、そこをゾクッとしてもらえたらいいなと思っています」
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――今回は間宮さんと佐藤さんとの共演シーンが多かったですけど、実際の撮影現場はいかがでしたか?
「楽しかったです! 洞窟の中でアクションしたり、足場の悪いところに連れて行かれたりとかして大変だったんですけど、本番以外の時にはみんなで他愛もない話をしたりとかして、すごく賑やかな現場でした。間宮くんとは今回で5回目の共演だったのですが、すごくお芝居に対しても真面目で、みんなを引っ張っていってくれますし、明るい空気を作ってくださるのですごく助かりました」
――ネタバレの関係で話せないことも多いと思うのですが、作中で印象的なシーンがあれば教えてください。
「片淵家の屋敷のシーンはすごく印象に残っています。あの屋敷は引きで上からとってもいいように詳細に再現されているセットだったので、私たちも初めて足を踏み入れて、ここの扉はここと繋がってるんだみたいな感じで、いろんな場所をくまなく探検しました。片淵家の一族のみなさんもメイクだったりお芝居で不気味さを出してくださったので、撮影中は本当に怖かったです」
――2024年は『となりのナースエイド』を始め、『ディア・ファミリー』や『千と千尋の神隠し』などの作品が続いていますが、現在の俳優としての状況をどのように捉えていますか?
「とても光栄です。若い時は勢いで乗り切れたりとか、若さで使ってもらえたりすると思うんですけど、それが30代になってくると、どうしてもその人の芝居力だったりとか、ストロングポイントで使ってもらえることが増えてくると思うので、そこに至るまでに、例えばお芝居の引き出しを増やすとか、そういうことを身につけておきたいなと感じています」
――そう思うようになった転機みたいなものはあったのでしょうか?
「転機と言える転機は特にないんですけど、自分の夢だった朝ドラヒロイン(『カムカムエヴリバディ』)と、大河ドラマ(『青天を衝け』)に出演することができたのと、30代という節目が近づいていくにつれて、意識するようになりました」
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――AKB48を卒業した当時は、現在のキャリアを思い描くことはできていましたか?
「いや、全く(笑)。当時からすると信じられないような人生です。最初の方はAKB48の卒業生として話題的なもので使ってもらえているのかなという感じはしていたので、そこからさらに上に行くには、お芝居や人間性を磨くことが必要だなと感じたんです。そこからいろいろな作品に出させてもらって、いろんな方と出会うことによって、役者としてもっと上に行きたいという目標も生まれました」
――川栄さんが役者として大切にしていることやこだわりはありますか?
「まずは人間性を大切にしたいなと思っています。お芝居はその後に来るものだと思っていて。まずは礼儀や作法をしっかり固めた上で、監督の言われたことをきちんと表現できるような役者になっていきたいです」
――来年は30歳という節目の年となりますが、今後はどのような目標がありますか?
「私は20歳で卒業した時に、朝ドラヒロインになることと大河ドラマに出ることと日本アカデミー賞を取ることの3つを目標にたてました。必ずしも賞が全てとかではないんですけど、その3つは私の中ですごく大きいものなんです。その中の2つを叶えることができたので、この先は日本アカデミー賞を取りたいです」
取材・文=川崎龍也
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