竹内結子のはつらつとしたキャラが堤真一、江口洋介、妻夫木聡、山下智久が演じる4人兄弟を魅了!ドラマ「ランチの女王」
2024.4.28(日)
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好きだった俳優がもうこの世にはいないことを思い出すと、寂しい気持ちになるけれど、だからと言って、その人が遺した作品を見ないのは、もっと寂しいし、もったいない。あの人がキラキラと輝いていた瞬間がタイムカプセルのように記録されている映像をもう一度見てみたい。竹内結子主演の「ランチの女王」は、そんな思いに駆り立てられるドラマだ。
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制作されたのは2002年。大森美香ほかが脚本を手がけたオリジナルドラマだ。竹内結子演じる麦田なつみが、安くてうまいランチで人気の洋食屋「キッチンマカロニ」に、店を経営する鍋島家の長男・健一郎(堤真一)の婚約者としてやってくる。鍋島家には父親でシェフの権造(若林豪)と、健一郎の弟3人、勇二郎(江口洋介)、純三郎(妻夫木聡)、光四郎(山下智久)がいて、なつみと対面。だが、実はなつみは健一郎に婚約者のふりをするように頼まれただけで、一家の放蕩息子である健一郎は以前に店の改装資金を使い込んでいた上に、売り上げのお金を持って行方をくらましてしまう。
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勇二郎は健一郎のあまりの振るまいに落胆し、店を畳もうと言い出すが、なつみは店で食べたオムライスがおいしかったと言い、通ってくるお客さんのためにも店は続けるべきだと主張。鍋島家に住み込んで店を手伝うことになる。勇二郎はなつみが3回失敗したら閉店するという条件を出し、なつみは小さいミスを2回した後、八百屋への発注を間違え、店にはジャガイモが30箱も届いて、使いきれない状態になる。
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洋食屋が舞台となっているだけに、オムライスやナポリタン、ジャガイモ問題を解決したビシソワーズスープなど、おいしそうな料理が次々に登場する。第34回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞で最優秀作品賞を獲得したときの山口雅俊プロデューサーのコメントによると、「料理の撮影や厨房の動きに見た目より非常に手間暇がかかった」とのこと(「別冊ザテレビジョン『連ドラ10年史 ドラマアカデミー賞10年プレイバック』」より)。本作における料理はもうひとつの主役と言えそうだ。
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店の舞台裏では、「キッチンマカロニ」という場所に惚れ込み奮闘するなつみに、勇二郎と純三郎、そして高校生の光四郎までが惹かれていき、なつみと勇二郎がアクシデント的にキスしてしまうなど、ラブコメ展開も。美しく凜とした竹内結子は、男集団の中にいて彼らを魅了していく役が似合う。この作品で4人兄弟の全員から恋心を抱かれる展開になるのも納得できるし、後年、挑戦したサスペンス「ストロベリーナイト」シリーズでも男性刑事たちの中の紅一点を演じていた。
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なつみには実は元ヤンキーという過去があり、不良の元恋人(森田剛)が店までやってきて彼女を脅したりもする。もともと育った家庭でも苦労があったりと、決して天真爛漫ではない、なつみの内面がしだいに見えてくる。ランチを食べて「おいし~い」と満足げな笑顔を見せる時と、自分の過去に脅かされる瞬間の真剣な表情のギャップを竹内は自然に演じている。
2024年2月にTVerで配信された時も話題になったように、22年後の今見ると、現在、主演俳優として活躍する人気キャストばかり。1990年代にホームドラマ「ひとつ屋根の下」で月9枠の顔となった江口洋介は、この作品でも一家の柱である"あんちゃん"的な役割を演じ本領発揮。三男役の妻夫木聡は前年に映画「ウォーターボーイズ」で注目されたばかりだった。四男役の山下智久もこのドラマではビジュアル担当のようなポジションだったが、この後、月9でも「プロポーズ大作戦」などで主演するようになり、今では「正直不動産」などで中堅サラリーマンの役を演じている。他にも、コック見習いの青年を演じる山田孝之や、八百屋の娘役の伊東美咲、永山瑛太、桐谷健太など、ドラマでおなじみの面々が顔を見せている。
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竹内は本作でザテレビジョン・ドラマアカデミー賞主演女優賞を初受賞。「賞は周りの方々にガッチリ脇を固めてもらってノビノビと演技ができたおかげですね」とコメントしている。月9初主演だった竹内にとっても、安心できるキャスト陣だったようだ。名優たちによる若い頃の豪華共演を、この機会に楽しみたい。
文=小田慶子
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