柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の演技が心に刺さる!三浦の出演作で最後に劇場公開された必見の映画「太陽の子」
2024.3.31(日)
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太平洋戦争の過酷さ、悲惨さを描いた映画は数多くある。中でも広島・長崎に投下され、一瞬で多くの命を奪った"原爆"を扱った映画は、深く考えさせられるものばかりだ。

4月6日(土)6:00より日本映画専門チャンネルで放送される、映画「太陽の子」もそのひとつ。2021年に公開された同作は、太平洋戦争末期、日本でも行われていた原子核爆弾の研究を軸に、開発の密命を受けた京都帝国大学の学生・石村修(柳楽優弥)、その弟で陸軍の士官として出兵している石村裕之(三浦春馬)、"建物疎開"で家を失い石村家に祖父とともに身を寄せる朝倉世津(有村架純)ら、当時を生きた3人の若者の苦悩や想いを描く。
柳楽が演じる修は、「実験バカ」と呼ばれるほど科学に心を奪われている青年。物語の冒頭で硝酸ウランが入った瓶を手にして心を踊らせる表情をしたり、空襲警報が鳴っても研究室に残って遠心分離機の改良に熱中する様子からも、それが伝わってくる。
「実験をして、新しいことを自分たちの手で見つけたい」と、研究者として強い想いを持ちながらも、不十分な設備で研究は進まず、物資は不足し、修は苦悩する。研究仲間と言い合いになり「なんでこんなことになってしまうんか...」、「俺らがやっとることは、正しいことですか、間違ってるんですか」と声を震わせて叫ぶシーンは、目指すところにたどり着けない修の苦悩が痛いほどに伝わってくるシーンだ。
三浦が演じる裕之には、胸が詰まるようなシーンが数多くある。戦地から一時帰還して家族や世津と再会した時の笑顔、母が作った寿司を頬張った時の心にしみるような表情。穏やかな場面に見えるが、その表情の奥には常に何かが漂っているような雰囲気がある。空襲警報が鳴り防空壕に避難した時、空を見上げる不穏な表情などは、心の底で得体のしれない恐怖が頭をもたげたかのようだ。
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3人で浜辺に遊びに出かけた帰り、裕之は1人で浜辺に戻り海に入っていこうとする。修に砂浜に引き戻された後、激しく嗚咽しながら「怖いよ...でも、俺だけ死なんわけにはいかん...」と心情を吐露するシーンは、まさに圧巻だ。そうした感情を抑えてなお笑顔を見せる裕之の心情を思うと、胸が締め付けられる。
有村が演じる世津も、重要な場面で物語を引き締める。普段は明るく振る舞うが、裕之が心情を吐露したシーンでは、怒りにも似た表情で修と裕之を抱きしめ「戦争なんか、はよう終わればいい」と言い放ち、裕之の出征前に3人で飲んでいる場面では、裕之に「ケガなんかしたら承知しませんよ」、修には「学問頑張ること」と声を震わせて言う。
世津の言葉に、2人と一緒に未来へ歩んでいきたいという想いが込められているのが、その演技から伝わってくる。裕之はその想いを受け取って「いっぱい、未来の話しよう」と答え、再び研究に戻った修も「僕は進みます、未来の話をするために」とモノローグで語る。
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研究が思うように進まない修、恐怖を抑え戦地に戻っていく裕之、祖父の世話をしながら石村家で暮らす世津。立場の違う3人の若者が敗戦間近の日本にあって、"大切に思う人""未来への想い"を支えに進もうとする姿。それを胸に刺さるほどに伝えてくる3人の演技は絶品と言うほかない。
また、修と裕之を女手ひとつで育てた母・フミを演じる田中裕子、京都帝国大学理学部の教授・荒勝文策を演じる國村隼らも、味のある演技で物語をより深いものにしてくれる。
本作は、2020年夏に急逝した三浦春馬が出演した作品の中で最後に劇場公開された、言葉では表せないものを伝える演技力を持つ三浦の、心を打つ迫真の演技が見られる一作。三浦はもちろん、柳楽優弥、有村架純らの名演技と合わせて、過酷な時代を生きた若者たちの姿をぜひ見届けてほしい。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
映画 太陽の子<4Kマスター版>
放送日時:2024年4月6日(土)6:00~、2024年4月24日(水)19:50~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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