バーチャルシンガー・花譜が新たな自分をさらけ出した4th ONE-MAN LIVE「怪歌」
2024.2.1(木)
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青春の孤独や悲しみ、その中でみつける光をドラマチックな歌声で表現し続けるバーチャルシンガー・花譜。2018年、クリエイティブレーベルKAMITSUBAKI STUDIOより、当時14歳でデビューして以来、素顔を明かさずに3Dモデリングされたアバターで活動を続けている彼女が、1月14日東京・代々木第一体育館にて4th ONE-MAN LIVE「怪歌」を開催。今回はその模様をレポートする。
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Photo by Kosuke Kobayashi
前日に、バーチャルアーティストグループ・V.W.Pのメンバーとして、グループ初の単独アリーナ公演「V.W.P 2nd ONE-MAN LIVE『現象II-魔女拡成-』」にも出演。理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜と共に、TVアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』OPテーマとなった新曲「切札」などでエモーショナルな歌声とパフォーマンスを披露した。翌日のこのワンマンライブは、花譜単独のリアル会場公演としては2022年の日本武道館公演以来、ということもあり、会場の代々木第一体育館は超満員の観客で埋め尽くされた。
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Photo by Kosuke Kobayashi
ミニマル・テクノサウンドにのせたカウントダウンムービーと共に会場が歓声に包まれる中、花譜が東京の街角に立ち、その足元から怪しげな花が咲き乱れるというオープニング映像が上映される。続いて、花譜がステージに登場し、「青春の温度」から、ライブがスタートした。前日も彼女と音楽を奏でた生バンド&ストリングスによるサウンドにのせて、はかなさとしなやかさを併せ持つ唯一無二の歌声を披露した。最初のMCでは、デビュー当時からのパートナーだったクリエイター・カンザキイオリのKAMITSUBAKI STUDIO卒業を機に、ライブシリーズ「不可解」が2023年3月に完結し、新たなライブシリーズ「怪歌」がはじまることを宣言。そして、20歳になったこと、この日が20歳初のステージであることも報告した。続く「それを世界と言うんだね」では、観客とのシンガロングで会場と一体に。「この先、花譜の歴史の中で、自分の中で、道しるべのような曲であり続けるような曲です」と語ってからの「邂逅」では、叫ぶような切ない歌声で聞く者の魂を大きく揺さぶった。
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Photo by Kosuke Kobayashi
「第五形態『雷鳥』」と命名された、ホワイトを基調としたハーフコートの新衣装お披露目と共に、ゲストコーナーがスタート。トップバッターを飾るのは、声優・佐倉綾音。白いドレスの裾を大きく広げ、深々とおじぎをしながら登場した佐倉は、花譜とリアルアーティスト&コンポーザーとのコラボ企画「組曲」でコラボレーションした「あさひ」をステージで初披露。二人の女の子の純愛を描く楽曲を語りや歌をドラマチックに表現すると、会場から割れんばかりの拍手と歓声が送られた。続くゲストは、人気Vtuberの森カリオペ。花譜と抜群に相性のいい歌声で「しゅげーハイ!!!」をキュートにパフォーマンスした。そして、コラボ企画第2弾「組曲2」から、第一弾となる「ギミギミ逃避行 feat.#KTちゃん(Prod. peko)」を人気ラッパー・#KTちゃんと共に初披露。花譜の楽曲のテクノリミックスが流れるブレイクタイムの「KAF DISCOTHEQUE」を挟んで、ロングツインテール&キツネのしっぽという自らがデザインした衣装で、彼女の歌声を元に制作されたAI「音楽的同位体 可不」と、2022年に放送された自身の冠番組「バーチャルシンガー花譜の廻れ!!MAD TV」の主題歌でもある「CAN-VERSE」や、TVアニメ「うる星やつら」のED曲「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」をデュエットした。
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Photo by Kosuke Kobayashi
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Photo by Kosuke Kobayashi
続いて、リアルに近い造形の新たなアバター「VIRTUAL BEING KAF」で、シンガーソングライター・長谷川白紙と「蕾に雷」を、ミュージシャン・大沢伸一(MONDO GROSSO)とは「わたしの声」をパフォーマンス。スタイリッシュなエレクトロニカに乗せ、ミステリアスでエモーショナルな歌声を会場に届けた。
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Photo by Kosuke Kobayashi
「特殊歌唱形態『扇鳩』」と題した、新たな衣装に着替え、「スイマー」「アポカリプスより」といった新曲を力強さとはかなさが同居したヴォーカルで連続パフォーマンス。続いてレーベルメイトでもあるGuianoと、彼が提供した「この世界は美しい」をデュエット。そして、花譜のこれまでの活動の振り返りと、実写映像を交えたムービーが映し出された後、「現実のカラダにバーチャルインターフェイスを実装し、リアルとバーチャルの関係性を反転させた『あらたな存在』」としてバーチャルシンガーソングライター・廻花が登場。表情などが見えないシルエットながら、限りなくリアルに近い姿で、「ターミナル」「ひぐらしのうた」「スタンドバイミー」と、自ら制作したという、切なくもどこか懐かしい楽曲たちを優しく歌い上げた。
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Photo by Kosuke Kobayashi
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Photo by Kosuke Kobayashi
廻花としての初めてのMCでは「私は、いつまでもたくさん歌いたい。大切な花譜とは違う形のもう一人の自分、可能性、バーチャルシンガーソングライターとしての私、それが廻花です」と宣言。続いて歌った「転校生」は、「夜が降り止む前に」が主題歌となった映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」の監督・山戸結希が手掛けた映像と共に披露した。
そして、花譜としての活動の中で蓄積したさまざまな思いを音楽として表現する場として廻花を生み出したことを明かし、「かいか」を熱唱。最後に、「花譜、廻花、どちらも私です。どんな歌も楽しく、自分らしく歌っていく花譜、より自分自身の内側から浮き出るものだけで形づくる廻花。これからは自分なりの歩幅で二つの活動を続けていきたいと思います。どちらの歌も私たちの居場所になるようにこれからも歌っていきたいです。みんなのおかげで新しい私が生まれました。皆さんは私の大切な人です。みんな、愛してる!またね」という言葉で、大成功に終わったソロバーチャルシンガー史上初の単独アリーナ公演の幕を下ろした。
文=中村実香
ライブ情報
神椿代々木決戦二〇二四
V.W.P 2nd ONE-MAN LIVE 「現象II-魔女拡成-」
花譜 4th ONE-MAN LIVE 「怪歌」
配信期間:~ 2024年2月18日(日) 23:59まで
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