片岡千之助、望海風斗との共演作で時代劇初主演!舞台の芝居との違いに悩むも「祖父に相談してふに落ちた」
2024.1.24(水)
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歌舞伎界のホープ、片岡千之助が主演を務めるドラマ、橋ものがたり「約束」が、2月3日(土)に時代劇専門チャンネルでTV初放送される。藤沢周平の名作短篇集「橋ものがたり」の一篇「約束」を、名作ドラマ「北の国から」シリーズの杉田成道監督が初めて映像化した時代劇だ。片岡千之助が時代劇初主演を務め、北香那を相手役に、若い男女のラブストーリーが描かれる。さらに、ミュージカル界をけん引する望海風斗も映像作品に初出演。本作で共演を果たした片岡千之助と望海風斗に、撮影秘話や時代劇への思いを聞いた。

(C)日本映画放送 藤沢周平(R)
――本作のオファーをもらった時の心境はいかがでしたか?
片岡千之助「主演というお話でしたので、正直『自分でいいのかな』と思いました。ただ、父(片岡孝太郎)や祖父(十五代目片岡仁左衛門)に少しでも近づけるよう、主演という立場をわきまえてしっかり務めようと思いました。幸助を演じるに当たっては、変に役作りすることなく、幸助の純粋な思いをストレートに伝えることに徹しました。撮影現場では、杉田監督をはじめスタッフの皆さんに本当に助けていただき、何とかやり遂げることができたという感じですね」
望海風斗「私の場合は『なぜ私なの?』と、本当にビックリでした。でも杉田監督ともお話をして、挑戦してみようと。だけど、映像自体も初めてで、役どころも難しい。原作と脚本を読んで自分には手に負えない役だとも感じたので、とても悩みました。それでも監督の作品に懸ける強い思いを聞くうちに、自分も参加したいという気持ちが上回りました。その後で、3回くらい後悔しましたけど(笑)。現場でも緊張しましたが、スタッフさんが本当に温かい雰囲気をつくってくれて、皆さんの仕事ぶりを見るうちに私の不安も一掃されて、無事に務められました。杉田監督のご指導や千之助くんのお芝居にもかなり助けてもらいましたね」

千之助「いや、とんでもないです。歌舞伎役者なら時代劇は演じやすいと思われがちですが、僕の場合は逆でしたね。時代劇だからこそ、つい舞台の芝居になってしまうんです。稽古の時もそこに最も苦労しました。でも、ヒロインのお蝶を演じた北香那さんが本当に上手で、彼女のつくり出す雰囲気をヒントに、それを共有するように演じていった形ですね。監督からは『時代劇だけど、自然に演じてほしい』と言われていたので、その点はずっと意識して素直に演じました」
望海「舞台との違いを感じた点は、小道具やセットへのこだわりがすごいこと。舞台だと『そこに青空がある』など、役者が想像しながら演じないといけませんが、映像の現場はいるだけでリアルな世界が広がっているから想像しなくていいし、新鮮で面白かったですね」
千之助「僕は、現場入りの前日に祖父に電話で相談したんですよ。『今回、ちょっと芝居をし過ぎちゃうかもしれない』と言ったら『映像はただカメラの前に立っているだけで芝居になるから』と言われて、ふに落ちた気がしました。今の望海さんの話とも一致しますね」
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――杉田監督の演出については、いかがでしたか?
千之助「監督はもう、本当にお元気でいつもフルパワーなんです(笑)。監督自身が現場を引っ張り、皆がやっと付いていく感じ。あの太陽のような笑顔で『やるぞ~!』と鼓舞するというタイプで...(笑)。杉田監督の現場のあの空気感に触れさせてもらったことはかけがえのない経験であり、本当に大きな宝になりました」
望海「監督の独特な表現で、『息が流れるようにやって』と何度か言われたんです。自然な空気の流れを止めないように芝居をするという意味で捉えていましたけど、そうすることで見ている人が登場人物をリアルに感じられるのかなと。監督がそこをすごく大事にしているんだと実感しました。とにかく、ひとつの画、ひとつの言葉に対してものすごくこだわりを持っていらして。監督のそのすごい熱意に対し、こちらが負けて折れてしまったらいけないという思いでやっていました」

(C)日本映画放送 藤沢周平(R)
――お二人が今回演じた幸助、おきぬというそれぞれの人物像については、どう捉えていましたか。
千之助「幸助は非常にシンプルな人。純粋で熱く、ある意味憧れる部分もあります。雑念にとらわれながらも芯が太い。成長したらすごくいい男になるんじゃないかな(笑)。やっぱり、藤沢先生の作品は登場人物に共感しやすい。劇中で彼は最後に大きな決断をするのですが、絶対に後悔はしないはず。僕もそんなふうに生きていきたいと思いますね」
望海「最初に台本を読んだ時、おきぬは『嫌な人だな』と思ってしまったんです。だから共感できなかったのですが、演じるうちにとてもチャーミングな人だと思うようになりました。過去にいろいろあったけれど、おきぬもきっと彼女なりに幸せになりたかったんだなと...。寂しさと人恋しさを抱えながら生きていて、幸助に心の隙間を埋めてもらいたかったんだろうなと想像すると、だんだん憎めない存在になっていきましたね」
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――この作品に参加して良かったと思える、何か今後の糧になるものは得られましたか。
千之助「まずは時代劇の制作現場を知ることができたこと。そして、人の心を真っすぐ演じることの大切さをかみしめられたことです。さらに撮影を通じて、いろいろな意味での忍耐力が身に付いたかなと思います」
望海「監督をはじめ、作り手の皆さんの情熱を間近に感じられ、そこに参加できて良かったと心から思います。すごく丁寧に時間をかけて大切に作っている現場でしたから。こんなにこだわっていることが分かると、これから他の時代劇を見るときの気構えも変わりますね」
千之助「時代劇は歌舞伎ともリンクしますし、日本の文化だと思います。それが衰退してしまうのは悲しいことですから、この作品をきっかけにより多くの人に時代劇の良さを知ってほしいと思います」
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かたおか・せんのすけ●2000年3月1日生まれ、東京都出身。片岡孝太郎の長男で、祖父は十五代目片岡仁左衛門。2004年、歌舞伎座にて4歳で初舞台を踏む。歌舞伎の他、映画「メンドウな人々」(2023年)など映像作品でも活躍。
のぞみ・ふうと●1983年10月19日生まれ、神奈川県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、2017年に雪組トップスターに就任。2021年の退団後はミュージカルを中心に活躍し、第30回読売演劇大賞 優秀女優賞や第48回菊田一夫演劇賞などに輝く。
撮影=島本絵梨佳 取材・文=渡辺敏樹
スタイリング=菊池志真(望海風斗)
ヘアメーク=Eita(片岡千之助)、chie(KIND)(望海風斗)
放送情報【スカパー!】
橋ものがたり「約束」
放送日時:2024年2月3日(土)19:00~
放送チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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