撮影当時18歳!国民的美少女と呼ばれた宮沢りえの「豪姫」から滲み出る色香と強い覚悟
2023.2.27(月)
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2023年4月で50歳という節目の年を迎える女優・宮沢りえ。年齢を重ねるにつれて品や知性が加わり、映画やドラマ、舞台に様々な作品で凛とした存在感を放っている。
1988年に映画「ぼくらの七日間戦争」で女優として華々しいデビューを飾ると、「運転手の恋」(2000年)や「華の愛 遊園驚夢」(2000年)といったアジアの映画にも出演。2002年を代表する1作となった「たそがれ清兵衛」や「紙の月」(2014年)、「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を3度も受賞するなど、スクリーンでまばゆい輝きを放ってきた。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
そんな宮沢のキャリア初期、アイドルとして人気絶頂期にあった18歳の頃に撮影された作品が、当時の日本映画界が誇る最強の布陣が集った一大叙事詩「豪姫」(1992年)だ。本作は、モントリオール世界映画祭最優秀芸術賞をはじめ、国内外の数々の映画賞を受賞するなど世界的にも高く評価された時代劇「利休」(1989年)の姉妹作ともいえる作品。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
その「利休」や、カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞した「砂の女」(1964年)で世界的な脚光を浴びた勅使河原宏監督がメガホンを取り、脚本・赤瀬川原平、撮影・森田富士郎、美術・西岡善信、音楽・武満徹といった「利休」を支えた業界屈指のスタッフが再集結した。
安土桃山時代を築いた権力者・織田信長、豊臣秀吉に茶頭として仕えた千利休の高弟であり、あの"織部焼"の創始者として後世に名を残した古田織部。そして、前田利家の娘で、豊臣秀吉の養女として育てられた豪姫、織部の屋敷で庭番として働くウス――時代に翻弄されながらも自由精神を貫き通す、3人の生き様が、重厚なタッチで紡ぎ出されていく。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
男勝りの奔放な性格の豪姫は、秀吉の命により自刃した千利休の後釜として茶頭となった古田織部を"オジイ"と呼び慕っていた。そんな折、京都の二条河原に利休の生首が晒されるという事態が起こる。一代の茶人だった人物を愚弄するような卑劣な行いに怒った豪姫は、ウスと共に利休の首を奪還。だが、それをきっかけにウスは一人で都を離れ、山中で"ジュンサイ"と名乗る老人と共に暮らすことに。やがて秀吉が死去し、時代が大きく変貌を遂げる中で3人の人生は再び交錯する。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
勅使河原監督といえば、ジャンルを超えた芸術活動に邁進し、映画だけでなく陶芸や生け花、書にも秀でた才能を発揮した傑物。映画ではその前衛的な芸術センスに裏打ちされた独特な映像手法で人間の内面を描き続け、遺作となった「豪姫」でもまた、日本文化のルネッサンス期というべき安土桃山時代の美の世界を存分に表現している。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
そんな勅使河原監督が関心を深めた反骨の茶人、織部を体現した名優・仲代達矢を筆頭に、極寒の雪山でウス(永澤俊矢)を助け出す世捨て人の老人"ジュンサイ"こと喜多淳斎を達観した表情で演じた三國連太郎、さらに淳斎がかつて仕えていた大名・高山右近役には松本幸四郎(現・白鸚)と、名だたる俳優たちが名を連ね、重厚な世界観を作り上げている。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
一方、実力派の役者陣に囲まれながら、ヒロインとして輝きを放っている宮沢。絢爛豪華な舞台や衣装、重量級の存在感を湛えた共演者の中でも、強烈なインパクトを放つ見た目に加えて、気さくではあるが、威厳のある口調に笑い方、明るく奔放な表情で、「男なら関白」と言われるほど"バサラ精神"に満ち溢れた豪姫の器の大きさを表現した。
そうかと思えば巻いていたさらしを脱ぎ破り、血を流すウスの傷口に当てる際のどこか艶やかな表情や、時が立ち再会したウスと共にする一夜で見せる悪戯な笑みなど、色っぽい雰囲気も随所で漂わせる。戦乱の世に生きる豪姫の17歳から41歳までを表情豊かに演じきった覚悟と度胸には改めて驚かされる。
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(C)1992「豪姫」製作委員会
18歳とは思えない独特の色気と存在感で豪姫の生き様を演じ切った宮沢りえ。そのキャリア姿の姿と共に、比類のない勅使河原宏ワールドを存分に味わいたい。
文=HOMINIS編集部
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