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上川隆也が実在の新聞記者を熱演し、実録ドラマとドキュメンタリーで未解決事件を徹底検証!「NHKスペシャル 未解決事件 File.01 グリコ・森永事件」

2023.12.26(火)

「NHKスペシャル 未解決事件 File.01 グリコ・森永事件」(ファミリー劇場)
「NHKスペシャル 未解決事件 File.01 グリコ・森永事件」(ファミリー劇場)

舞台で培われた確かな演技力に加え、筋金入りのアニメオタクという素顔や、バラエティ番組で披露する気さくなパーソナリティーなどで人気を誇る俳優・上川隆也。

そんな上川が、宅麻伸、池内博之らと共演し、昭和の大事件に翻弄された実在の新聞記者を熱演したのが、実録ドラマとドキュメンタリー映像で構成され、未解決事件を徹底検証する番組「NHKスペシャル 未解決事件 File.01 グリコ・森永事件」だ。

実在の新聞記者を演じる上川隆也
実在の新聞記者を演じる上川隆也

平成22年(2010年)に殺人事件などの時効が廃止され、未解決のまま事件を終わらせることが許されない時代へと変化した現代の日本。そんな中で、日本全国に大きな衝撃を与え、多くの謎と課題を社会に突きつけたままの「未解決事件」を徹底的に追跡・検証し、未来へ繋がる教訓を探る大型シリーズの第1弾でもある本作。
1984年3月、江崎グリコの社長が、目出し帽を被った3人組の男たちに自宅から連れ去られるという誘拐事件から始まった、食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件。そんな時代を象徴する未解決事件の全容に、「取材ベースで描く実録ドラマ」「関係者たちの証言ドキュメント」「新事実を追求するスクープ・ルポ」という多角的なアプローチで迫る。その中の実録ドラマで上川は、当時、読売新聞記者として事件に向き合った実在の人物・加藤讓を熱演している。

2000年2月12日。戦後の犯罪史上に刻まれた「グリコ・森永事件」の完全時効が成立する日。読売新聞の記者・加藤讓(上川)は、忸怩たる思いの中、時効を報ずる無念の原稿に向かっていた。15年以上にわたり、この事件を追い続けてきた加藤。そのすべての始まりが、1984年、江崎グリコ社長が誘拐され、現金10億円と金塊100キロを要求された事件だった...。
あごひげを蓄え、ややくたびれた様子の2000年と、仕事に全身全霊を捧げている、血気盛んな大阪府警記者クラブ・捜査一課キャップ時代を演じる1984年という、2つの時代の加藤を演じ分ける上川。味わい深い背広のシルエット、常に吸い続けるタバコなど、誰もがエネルギッシュだった昭和時代を感じさせる出で立ちで、大事件と日夜向き合う新聞記者というパワフルな役どころに確かな存在感を与えている。そんな上川が本作で挑戦したのが、全編を通しての関西弁だ。

2011年6月13日に行われた本作の記者会見で、「加藤記者が関西弁で話されているのを忠実に再現していますので、すべてのセリフが関西弁。ここまでコテコテに関西弁で演じたのは実は僕自身初めてのことでした」と語っている上川。「他の新聞社に負けないスクープを捕まえる」というプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも仕事に打ちこむ加藤を、熱のこもった関西弁と張り詰めた表情で見事に演じている。

そんな加藤も、戦友とも呼べる同業他社の毎日新聞・大阪府警記者クラブ遊軍記者の吉山(池内博之)の前では、緊張の糸がゆるむ。なかでも、第2話で加藤と吉山が酒を酌み交わすうち、酔いが廻った加藤が本音を明かすシーンでの上川の熱演は必見だ。

レトロなネクタイ柄やダイヤル式のブラウン管テレビと電話機など、昭和時代の空気を再現するためのこだわりも素晴らしい本作。日本犯罪史上に残る未解決事件を追った人々に迫った社会派ドラマを、上川の熱演に注目しながら味わってほしい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

NHKスペシャル 未解決事件 File.01 グリコ・森永事件
放送日時:2023年12月30日(土)12:00~、2024年1月4日(木)17:30~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます