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今年のタイトル戦はこれにて終幕。藤井聡太の11月の対局を振り返る

2023.12.1(金)

同世代対決となった竜王戦七番勝負はストレートで圧倒。しかし、まだ若い両者の戦いは第一幕で、これからも長く続いていくことだろう。今年のタイトル戦は終わり、来年はすべてのタイトルで防衛戦を戦うことになる。
※対局予定棋士の名前の後の内は藤井から見た過去の対戦成績。

11月10、11日に、第36期竜王戦七番勝負第4局で伊藤匠七段と対戦。角換わり腰掛け銀から激しい研究勝負になる。藤井が先に長考を強いられる展開になるが、二日目に入って流れをつかむ。その後は的確な受けで攻めを受け止めて、最後は蓄えた持ち駒で長手数の即詰みに打ち取った。これでシリーズを4勝0敗として防衛。タイトルは通算19期目で、(故)米長邦雄永世棋聖に並ぶ歴代6位になった。
 
11月19日は第44回将棋日本シリーズJTプロ公式戦決勝で糸谷哲郎八段と対戦。変則的な角交換型から糸谷は右玉。糸谷の巧みな受けの前に大変な局面が続いたが、終盤に一瞬の切れ味を見せて制勝。昨年に続く2度目の優勝で連覇を果たした。一般棋戦優勝は10回目。

11月2日は第31期銀河戦本戦Hブロック最終戦の羽生善治九段戦が放映。角換わり腰掛け銀の研究勝負となるが、終盤は苦しい局面を迎える。受けなしに追い込まれる順もあったが、秒読みで羽生も決め手を逃して混戦に。最後は単騎の玉で敵陣まで逃げ切り激闘を制して決勝トーナメント進出。

11月30日に決勝トーナメント1回戦の斎藤明日斗五段戦が放映。斎藤のひねり飛車からの動きに対し、藤井は正確な切り返しから圧倒。緩みない指し回しでそのまま投了に追い込んだ。2回戦では千田翔太七段と対戦する。放映は12月7日(木)。
 
第73回NHK杯将棋トーナメントは3回戦で久保利明九段(4勝3敗)と対戦する。

第73期ALSOK杯王将戦七番勝負の挑戦者は菅井竜也八段(9勝4敗)に決定。タイトル戦では前期の叡王戦五番勝負以来の対戦で、二日制で顔を合わせるのは初。第1局は1月7(日)、8日(月)に行われる。
 
SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2023で、藤井は西側での出場。6対6の東西対抗戦は12月24日(日)に行われる。

文=渡部壮大

放送情報【スカパー!】

第31期 銀河戦 決勝トーナメント 2回戦 第2局 藤井聡太銀河 vs 千田翔太七段
放送日時:12月7日(木)21:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります