菜々緒が語る役への向き合い方「キャラクターを理解して愛してあげることが1番大事」
2023.11.30(木)
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2023年12月1日(金)に公開される映画『怪物の木こり』。2019年第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介によるスリラー小説を原作とする同作は、絵本『怪物の木こり』に登場する怪物の仮面を被った殺人鬼とサイコパスの資質を持つ弁護士・二宮彰による対決が描かれる超刺激サスペンス。
そんな連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラーの戸城嵐子を演じているのが菜々緒だ。今回はどのようにしてサイコパス気質のある戸城を演じたのか、そして「ボク、運命の人です」以来の共演となった亀梨和也の印象、役への向き合い方を語ってもらった。
――本作のオファーを受けた時の心境を聞かせてください
「最初お話を聞いた時にひょっとしたら私はサイコパス役なんじゃないかと思ったんですけど、警視庁のプロファイラー役だったので驚きました。原作や台本を読ませていただく中で、原作と映画の戸城の役が違ったので、それは映画ならではだなと思いましたし、ラストも映画オリジナルの終わり方だったりもするので、三池節と言いますか、三池監督の色がギュッと詰まった映画になっているのではないかなと思います」
――菜々緒さん演じる戸城嵐子についてはどのような印象を受けましたか?
「これまでプロファイラーという役はやったことがなかったですし、特殊な役柄でもあるので自分にとってはハードルが高いなと思いました。原作を読ませていただいた時は、割とどこにでもいる真面目な印象があったんですけど、現場に入る時に監督からサイコパスの要素を入れてほしいと言われたので、そういう一面を出せるように演じていきました」
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――具体的にどのようなアプローチで演じられたのでしょうか?
「映画の中のセリフにもあるんですけど、戸城は自己中心的な殺人鬼に実の兄が殺されたことによって、自分の信念を貫く形でプロファイラーを目指したんです。ただ、その真っ直ぐさが行き過ぎてしまうが故に違法捜査もいとわない一面もあって。あまりにも行き過ぎるとサイコパスっぽくなってしまうので、そのギリギリのラインを丁寧に演じていきました」
――普段の役作りで言うと、予め自分の中で作り上げてきた役のイメージを現場で変えることもあるのでしょうか?
「現場に入って、共演者を見つつ路線変更することはあります。今回の戸城に関しては、サイコパス要素を取り入れてほしいという要望があってからは少し変えました。原作を読んだ時に、真面目な、割と女性らしい感じのキャラクターを想像していたので、衣装合わせの時にパンツスーツで着るものに無頓着な感じだったりとか、髪の毛バサバサで、伊達眼鏡をかけているみたいなところが少し意外で。そこから、自分で想像していたものより路線を変えていきながらキャラクターを作っていきました」
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――戸城は自分の信念を貫き通すタイプの女性で、菜々緒さんのイメージにも近しい部分がある役だと思ったのですが、実際に演じられていて共感できる役柄でしたか?
「自分に与えられた使命みたいなものや、与えられた仕事とか、自分がやりたいとか、一度やってみると決めたことに関しては、同じく情熱や信念を持ってやっている方だと思うので、そういったところはすごく戸城に共感できるなと思いました。ただ、違法捜査まで行くと、やっぱりやりすぎだなと(笑)。周りが見えなくなって自分が正しいと思うことを貫き通すところは少しサイコパス気質ではあるのかなと感じました」
――先ほどもサイコパスの要素を入れてほしいという要望があったというお話でしたが、今回監督から役作りに関してリクエストされたことはありますか?
「そこまでこうしてほしいというのはなかったんですけど、例えば事件が発生した時に会議で上司の方に『プロファイラーさんの戸城さんはどういう意見ですか?』と聞かれた時に、立ち上がりながら少し気だるそうにしているというシーンがあったんですけど、そういった部分も頭を掻きながら立ち上がって、気だるそうにしてほしいというリクエストはありました。あとは初めて屋外で殺人事件が起きた時に死体の死臭をちょっと嗅ぐ仕草をしてほしいとか、二宮にナイフを突きつけられた後、さすがの戸城も精神的疲労を感じるシーンとかは、監督がお芝居をつけてくださいました」
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――亀梨さんとは『ボク、運命の人です』以来の共演でしたが、今回久しぶりに共演されるにあたって何かお話はされましたか?
「『こういう風にしようと思っているんだけど、こういう風にしてくれるかな』みたいなお芝居に関する話というのはほとんどなくて、お互いに作り上げてきたキャラクターをぶつけ合って、お互い思っていることが自然と一致していたんじゃないかなと思いました。阿吽の呼吸じゃないですけど、何作か共演させていただく中で、彼はこういう風に来るんじゃないかみたいなことをすごく感じ取れましたし、原作を読んでから台本を読んだ時に二宮は亀梨さん以外にできる方はいるのかなと思うぐらい私の中ですごくしっくりくる役柄だったので、逆に自分がイメージしていた二宮と、亀梨さんが撮影の時に出してくる二宮がほぼ一致していたことに、逆に怖さを感じるというか、本当にハマり役だったのではないかなと思いました」
――亀梨さんの印象は以前と比べて変わりましたか?
「全くお変わりないなという感じでしたね。常にいろんなところに目が行き届く方だし、常に誰に対してもフラットで気が使えて、誰よりも忙しいはずなのに、なんでもそつなくこなしていく感じが、昔から変わらないなと思いました。久しぶりの共演でしたけど、安心感がありましたね」
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――では、菜々緒さんが役者として大切にされていることを教えてください
「キャラクターの心情や、キャラクターが置かれている環境などを含めてまずはキャラクターを理解して愛してあげることが1番大事なことだと思っています。私はお芝居をする中で、自分の中にあるものしか演じられないと思っているので、自分の中でも理解できるところを理解して役に寄り添ってあげて、撮影している期間内はその役として生きていくという気持ちでカメラの前に立たせていただいています。今回で言うと登場するキャラクター自体も全員がサイコパス要素を持っていて、狂気的なものを取り入れてほしいという要望があった場合には、そういったものを大事にしながらも自分の中にあるオリジナリティは大切にして作り上げていくことを意識しましたね」
――例えば自分の中の引き出しにはない共感できない役柄の場合にはどういうアプローチをされるのでしょうか?
「今までサイコパスの役や殺人鬼の役などいろいろな役をやらせていただいたんですけど、生い立ちを知っていくと意外と共感できる部分があるんですよ。どんな役でもどこかしら共感できるところはあるので、寄り添うような形で理解をしてあげるということを大切にしています」
取材・文=川崎龍也
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