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復帰作「イ・ドゥナ!」への期待が高まるヤン・セジョン、アン・ヒョソプとの絆も見え隠れするナイーブな表現力

2023.2.6(月)

「30だけど17です」
「30だけど17です」

昨年12月に30歳という人生の節目を迎えたヤン・セジョン。2021年11月に除隊した彼は、miss A出身の人気女優ペ・スジと共演するラブストーリー「イ・ドゥナ!」への出演が大きな話題に。引退したK-POPアイドル(スジ)とロマンスに発展する大学生役とあって、その期待も徐々に高まっている状況だ。

モデルから俳優に転向したセジョンは、2016年に俳優デビューするや否や立て続けに4本の作品に出演し、そのうち2作品が主演という経歴の持ち主。作品ごとに違った顔を見せる演技力やその快進撃から、当時"怪物新人""次世代ライジングスター"と呼ばれる存在だった。

ヤン・セジョンが切ない涙やキスシーンなど多彩な表情を見せる「30だけど17です」
ヤン・セジョンが切ない涙やキスシーンなど多彩な表情を見せる「30だけど17です」

(C)SBS

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中でも注目を集めたのが、地上波初主演ドラマ「愛の温度」(2017年)だ。恋に臆病な6歳年上のヒロインをひたむきに愛する青年を繊細に演じ、"理想の年下男子"として一躍ブレイク。続いて主演したドラマ「30だけど17です」(2018年)でも、人気女優シン・ヘソンと息の合った名コンビぶりを発揮し、大ヒットを記録。セジョンがボサボサ髪に髭モジャ姿で登場し、"理想の年下男子"とはガラリと異なる表情も話題となった。

「30だけど17です」
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「30だけど17です」は、シン・ヘソンも編集部員役で出演した「彼女はキレイだった」(2015年)の脚本家チョ・ソンヒが手掛けたラブコメディ。

17歳の時に、バイオリニストを目指す女子生徒にひと目惚れするが、告白を決意した日に彼女が事故に遭い、"自分のせいで初恋相手を死なせてしまった"と、30歳まで他人に心を閉ざして生きてきた舞台デザイナーのウジン(セジョン)。

一方、17歳の時の事故によって昏睡状態だったソリ(シン・ヘソン)は、30歳になったある日、突然目を覚ます。ところが10年以上も眠り続けていた間に、ソリはバイオリニストの夢も、家も友人も、何もかもを失ってしまっていた...。

「30だけど17です」
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「30だけど17です」
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ソリがおぼろげな記憶を頼りに、かつて自分の家だった場所を訪ねると、そこにはウジンと甥っ子のチャン(アン・ヒョソプ)が住んでいた。「ソリの家族が見つかるまで」という条件で3人は一緒に暮らし始める...という展開で、本作の物語は幕を開ける。

韓国での初放送時は初回から最終回まで同時間帯視聴率トップを独走し、その年の「SBS演技大賞」で5冠を達成したヒットドラマだ。

「30だけど17です」
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「30だけど17です」
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長い間心を閉ざし続けていた"遮断男"のウジンだが、根は優しい性格で、世間知らずなソリが気になって仕方ない。初恋の相手と気づかないまま、ソリが落ち込んでいれば励ましたり、怪しいアルバイトを始めたのではと心配して様子を見に行ったり...。あれこれ心配しては空回りする様子をセジョンが好演。その振り回される姿が母性本能をくすぐると、当時も大きな支持を集めた。

「30だけど17です」
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(C)SBS

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やがて他人には無関心だったはずのウジンは、17歳のままの心を持ったピュアなソリに影響され心を開いていく。一方のソリもウジンの優しさを知り惹かれていくものの、なかなか素直になれない2人の距離がもどかしい。だからこそ、ウジンがソリの涙を指で優しく拭ってあげるシーンなど、何気ない仕草や一瞬のときめきが心に残る。

「30だけど17です」
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冷静に考えればソリの身の上はかなり過酷なのだが、体は30歳の大人なのに、互いに17歳で時が止まったままの2人が次第に心を通わせていく過程が丁寧で、説得力がある。2人の共演シーンは、ほとんどが"ワンシーン、ワンカット"だったと言われるだけあって、絶妙なコンビネーションに引き込まれていく。

本当に17歳のように無邪気にはしゃぐコミカルな場面もあれば、時折ドキッとするほど無防備な内面を曝け出す場面もある。そうした繊細なウジンと自身とをシンクロさせたセジョンの佇まいは特に自然体で、「ヤン・セジョンでなければウジンは考えられない」という声が実際に視聴者から寄せられたと言うが、それも納得だ。

「30だけど17です」
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さらに、ウジンの甥っ子・チャン役で、今や主役を張るスター俳優のアン・ヒョソプが出演しているのも興味深い。心を閉ざした叔父を「昔みたいに笑って!」と、何かと気にかける仲の良い関係性は、ある意味"ブロマンス"的な絆も見え隠れして、見ていて微笑ましい。

一方で、高校ではボート部に邁進する育ち盛りのチャンの、真っ直ぐさにも癒されること必至だ。メガ盛りフードを豪快に食べるわんぱくさを見せ、心は17歳のソリとも意気投合。熱い友情を育むが、次第に恋心に発展し"おばさん"に恋するなんて...と困惑する姿も可愛らしい。ボートの大会で勝ったら告白しようと、猛練習する一途な姿には、つい心が揺さぶられてしまうはずだ。

「30だけど17です」
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終盤に向け、ウジンとソリ、チャンの三角関係も切なさが増し、13年前に起きた交通事故の裏に隠された真実が徐々に明らかになるにつれて、ウジンやソリが流す涙の種類も変化。そして、様々な伏線が心温まる大団円に向けて回収されていく。

セジョンとヒョソプによる「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズでの再共演も経て、それぞれに代表作を得た今、見返すと様々な再発見がありそうな本作。登場人物のみんなが誰かを想い、支え合う――そんなヒーリング効果に溢れた温かな人間模様にも注目しながら、改めて振り返りたい珠玉のラブコメディだ。

「30だけど17です」
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(C)SBS

文=酒寄美智子

放送情報

30だけど17です
放送日時:2023年2月15日(水)11:30~
※毎週(月)~(金)11:30~
チャンネル:アジアドラマチックTV (アジドラ)
※放送スケジュールは変更になる場合があります