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クセの強い役で斎藤工の魅力が輝く!男女4人の奇妙な生活を描く映画「家族ごっこ」

2023.11.29(水)

圧倒的存在感とワイルドなビジュアル、そして確かな演技力で、日本エンタメ界を代表する俳優の1人として活躍中の斎藤工。どこか影のあるミステリアスな青年をはじめ、クセの強い役柄を演じさせたら天下一品な彼が、その魅力を最大限に活かすキャラクターを演じたのが映画「家族ごっこ」だ。

本作は、「異動辞令は音楽隊!」「ミッドナイトスワン」の内田英治監督と、「サンブンノイチ」などの原作者としても知られる小説家で、本作が映画監督初挑戦となる木下半太によるオムニバスムービー。どこか奇妙な家族を描き出す5つのエピソードのうち、斎藤が主演している「鈴木ごっこ」は、借金を帳消しするという条件と引き換えに、1年間、"鈴木家"を演じることになった4人の男女の姿を描く物語だ。

セミの鳴き声が響く、とあるマンションの一室で、サングラスをかけたままうつむく男(斎藤)。そして無気力な表情を浮かべる青年(柄本時生)、実直そうなビジネススーツ姿の男(小木茂光)、不機嫌そうな女性(霧島れいか)。「これから1年間、家族として過ごすことで、4人が背負った総額一億円の借金が帳消しになる」という条件のもと、彼らは夫婦と中学生の息子、そして祖父という無理のある設定で、「4人のうちの誰かが隣に住む人妻を落とす」というミッションのために「鈴木ごっこ」を始める。

斎藤工が出演する映画「家族ごっこ」
斎藤工が出演する映画「家族ごっこ」

(C)「家族ごっこ」製作委員会

斎藤が演じるのは、サングラス姿の妖しい男。無精ヒゲに派手なシャツ、無造作ヘアなど、一筋縄ではいかない匂いが漂いまくる彼は、同じ部屋に集められた初対面の青年やスーツ姿の男に対し、舌打ちとため息で威圧するといった、見た目を裏切らない性格。そんな男を斎藤は、低音の美声を響かせながら好演する。そして、隣の部屋の住人・ニカイドウを名乗る女性(筒井真理子)と対面した際は、強気な態度から一変し、口ごもってしまう。鈴木家の女性が駆けつけ、「今日越してきた鈴木です!これは夫の...タケシです」とフォローすると、サングラスを外し、「タケシです。これは妻の...小梅です」と自己紹介。その時に浮かべる爽やかな笑顔と、隣人女性に注ぐ熱を帯びた視線のセクシーさは要注目だ。

その後、事業に失敗し、借金のカタに恋人を風俗に送り込んだという過去が明かされていくタケシ。季節は巡り、クリスマスの時期になっても、まだ「隣の人妻を落とす」というミッションをこなせていない状況。そんな中、パジャマ姿のままで戦闘機のプラモデルを手にして子どものような笑顔を浮かべるタケシに小梅が怒りをぶつける場面では、「明るい健康家族は怖えんだよ」と、鈴木ごっこがもたらした予想外の幸せに戸惑いを覚えているという本心を明かす。そんなタケシの心の移ろいを、斎藤はメリハリの効いた演技で見事に表現している。

そして、鈴木ごっこが始まってからちょうど1年となる日を描くクライマックスで、斎藤はそれまでのシーンでは見せてこなかったさまざまな表情を披露しながら、圧倒的なエンディングへと突き進む。斎藤の凛々しくも不敵な笑みと力強い決めゼリフによって締めくくられる鮮やかなラストシーンでは、俳優・斎藤工の魅力が爆発。「そうそう!これが見たかった!」と思わず拍手を送ってしまうことだろう。

「鈴木ごっこ」以外にも、"家族"を題材にした短編映画で構成された本作。オープニングシーンを任された斎藤が放つ、唯一無二の存在感を味わいながら、ひとクセもふたクセもあるストーリーを楽しんでほしい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

家族ごっこ
放送日時:2023年12月3日(日)7:15~
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2023年12月12日(火)6:30~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合がございます