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堀北真希が演じる無表情でクールな刑事役で、その美しさを再確認!「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル」

2023.11.28(火)

清楚なビジュアルと確かな演技力で、2003年から2017年の日本エンターテイメント界において圧倒的な輝きを放った女優・堀北真希。彼女が華やかな笑顔を封印し、ミステリアスな毒舌刑事役に挑んだのが2014年秋に放送された「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル」だ。

警視庁内に新設された「オンナ刑事だけの捜査課=警視庁捜査七課」。政府の女性登用の機運に乗って、女性初の管理官・瀬川すみれ(大地真央)が創設したこの捜査七課には美しく、そして一癖も二癖もある女たちが集められた。男性優位思想を捨てきれない刑事たちを容赦なく出し抜き、事件を解決していく彼女たちを男たちはいつしか、根に毒を持ち、墓の近くに赤く美しく咲く花になぞらえ、「ヒガンバナ」と呼ぶようになっていた。

堀北が演じるのは、他人の悪意を遮断するために装着しているヘッドフォンがトレードマークの刑事・来宮渚。ゆるくウェーブのかかったセンターパートのロングヘアに、ライダースジャケット、スウェットパンツにワークブーツといった、およそ刑事とは思えないようなラフなスタイルで捜査にあたる彼女は、殺害現場や容疑者など、事件に関わる場所や人物から被害者への感情に「シンクロ」し、事件解決への手がかりを見いだすという、希有な才能の持ち主だ。しかし、被害者への悪感情を引き出すために、相手を挑発したり、圧倒的な精神力を必要とするシンクロのせいで捜査現場で気絶してしまったりと、トラブルメーカー的存在でもある。

堀北真希が刑事を演じる「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル」
堀北真希が刑事を演じる「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル」

(C)NTV

そんなクセの強い渚を堀北は、徹底した無表情と低い声で表現。バス車内で、老婆に声をかけて金を巻き上げようと企む詐欺師の悪意を読み取って撃退するシーンでも、彼女の表情筋はぴくりとも動かない。その一方で、捜査一課から外され、警視庁をたらい回しにされた、優秀がゆえに頑固過ぎる刑事・峰岸雪乃(檀れい)、警視庁科学捜査研究所で並外れた才能と知識をもつ天才研究員・長見薫子(知英)、元鑑識で、データと物証のみを信じる、女子力溢れるリアリストな刑事・伊東凛(高梨臨)、シングルマザーでありつつ、元凄腕プロファイラーの刑事・柳幸子(YOU)という、"ヒガンバナ"の面々の前では「ここは表も裏も悪意で真っ黒の皆さんなんで楽なんです」とヘッドフォンを外し、ほんの少し微笑むなど、渚が彼女たちに気を許していることを視聴者に的確に伝えてくる。

そんな中、彼女たちの元に「今月26日に都内で行われる全ての結婚式を中止しなければ人が死ぬ」という、大手マスコミ各社や都内各結婚式場・ホテルなどに送りつけられた無差別脅迫状事件が舞い込んでくる。女医タレント・江藤環(国生さゆり)が披露宴を強行する中、都内高級ホテルで女性の刺殺体が発見される。渚はその現場でも「シンクロ」を開始。堀北が演じる渚は被害者を一心に見つめ、遺された思いに同調。その瞳から一筋の涙をこぼし、犯人とおぼしき男の感情をなぞり終わると、その場で気絶してしまう。

常に固い表情で渚を演じている堀北だが、渚のシンクロを初めて間近で見て、驚く捜査一課の新人刑事・東野和也(市川知宏)に、渚が「素直とバカは紙一重」と言い放った際にのみ、優しい微笑みを浮かべる。それまでの暗い顔とのギャップも影響し、改めて堀北の美しさを再確認する視聴者も少なくないはずだ。

渚とコンビを組む雪乃との確執や、容疑者として登場する遥子(高岡早紀)、麻弓(いしのようこ)らが抱える大きな感情など、女性同士だからこそ起こりうる物語を丁寧に描き出した、全く新しい刑事ドラマ。クールでミステリアスな刑事を見事体現した堀北の熱演に注目しながら、楽しんでほしい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル
放送日時:2023年12月2日(土)9:40~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます