井上小百合が新たなチャレンジに胸ときめく「これまでと違う姿をお見せできる機会にわくわくしています」
2023.11.13(月)
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井上小百合が、2024年1月3日(水)から東京国際フォーラム ホールD7にて上演される「J-CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ 詩楽劇『沙羅の光』~源氏物語より~」に出演する。
同作品は、源氏物語の中で詠まれた和歌を、舞や歌、語りで聴かせ、光源氏と心を通わせた女たちの姿を描く詩楽絵巻として構成したもので、和歌の朗読、二十五絃箏・胡弓、篳篥・笙などの和楽器演奏、日本舞踊などにより、女たちの思い、愛や苦悩を描く。演出・振付は日本舞踊尾上流四代家元の尾上菊之丞が務め、光源氏を紅ゆずるが演じる。井上は、光源氏の最愛の女性、紫の上を演じる。
今回、井上にインタビューを行い、出演を聞いた時の感想や詩楽劇という新たなステージにチャレンジする意気込み、役どころなどについて語ってもらった。
――出演を聞いた時の感想は?
「もうびっくりしました!コロナ禍で『お芝居の勉強になればいいな』という思いから日本舞踊を始めてずっと続けていたのですが、まさか自分が正統派の日本舞踊の作品に呼んでいただけるとは思わず、『とてもありがたいな』という思いと共に『私で大丈夫かな』という不安もありました。菊之丞先生から日本舞踊を教えていただいていて、もう雲の上のような存在の方なので、そんな方と一緒に作品を作れるというのが本当に光栄です」
――意気込みを教えてください。
「日本の伝統的な文化は、日本に住んでいながら触れる機会が少なかったり、地上波での時代劇のドラマなどが少なくなってきている中で、若い世代の方は特にハードルの高さを感じていると思うんです。そういった方にも触れやすいような架け橋になれればなと思っています」
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――紫の上という役の印象は?
「お話をいただいた時点では『容姿端麗で性格のいい完璧な女性。でも、かわいそうな女性』という学校で習ったぐらいの知識しかなかったのですが、演じることになって個人的に改めて深掘ってみると、彼女が抱えていた苦悩や女性としてのコンプレックスみたいなものは、現代に生きる私たちにも通ずるもので、とても共感できる部分があるな、と思いました。1000年以上昔の作品なのに、現代のさまざまな問題とリンクする状況があって、私自身と近しい人物かもしれないと感じました」
――ご自身との共通点はどんなところに感じられたのですか?
「人柄も容姿も完璧な女性として描かれていて、本人もそのことを誇りに生きてきた中で、ある日つまずいて、自分の弱さとか駄目なところとかに向き合った時に破綻していくところです。私は『お芝居をやりたい』という一念でこの世界に入ったのですが、いざ入ったらオーディションには受からないし、役ももらえないし、舞台に立ったらめちゃめちゃしんどいし、思っていたのとは全然違っていました。『私が思い描いていたのは幻想だったのか』と思うくらい、理想と現実の間で混乱してしまった時の感覚と通ずるものがあるなと。一見『かわいそうだな』と思ってしまいそうですが、そこで『どう自分を保って生きるか』というところから学ぶことが多いと感じていて、そういったところが自分と重なりました」
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――どのようなことを意識して演じようと思っていますか?
「まずは、光源氏が心からの愛を注がずにはいられなかった、紫の上の女性としての魅力を出していきたいなと思っています。ただ、それを歌と舞でどう表現するかという部分では、もっと努力しないといけない最大の課題ですね。そして、生霊のようになってしまう彼女の負の部分との幅が大きければ大きいほど伝わるものがあると思うので、逆算して最初の印象から大きく変わっていけたらと思っています」
――初挑戦となる詩楽劇に関してはいかがですか?
「普段立っているミュージカルとは全然違う歌い方や発声になると思うので、本当に努力しなければ...と。和楽器での音楽は、とても美しくて繊細で素敵です。その素晴らしさを損なわないようにしなければ、と思っています。でも、私って自分にハードルを設けるのが好きで、『これをどう乗り越えようか』と考えるのが楽しいので、稽古や練習が大好きなんです。たとえ壁にぶち当たったとしても、それは前に進んでいる証拠ですから、この作品に臨めることにわくわくしています(笑)」
――ポスターカットでは十二単を着てらっしゃいますが、着た感想は?
「率直に重さにびっくりしました。かつらも扇も重くて、全部がすごい重さで...(笑)。当時の女性が、これだけ重いのに凛として美しく過ごしていたということは、本当に努力をして、その美しさを作っていたんだなと感じて、『(美しくあるためには)私も頑張らないといけないな』と思いました(笑)。でも、なかなか着る機会もないので、着させていただいて光栄でしたし、ありがたい経験でした」
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――紅ゆずるさんの印象は?
「とても素敵な方で、包み込むような優しさがあふれる方だなと思いました。光源氏に扮したお姿を見たら本当にカッコよくて同じ女性なのについ見とれてしまいました。誰もが魅了されてしまう光源氏として、すごく説得力があると思いました。ぜひ稽古では所作などを教えていただきたいです」
――最後に観劇にいらっしゃる方々、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「いろいろ幅広くやらせていただいていて、私のことを"演劇の人"とか"ミュージカルの人"と思われている方が多い中で、今作で"日舞の人"という、また違う顔をお見せできる良い機会だと思っています。役者としてとても大きな経験になると思いますし、自分自身でも楽しみです。また、このような日本の伝統文化に触れたことがない方々や、ハードルが高いと思っている皆さんにも、ご覧いただけるものですので、『普段観たことがない』という方にこそ、ぜひ足を運んでいただきたいなと思っています。物語としても、現代の私たちにも通ずる部分がたくさんありますので、多くの皆さまに観ていただきたいと思っています」
文=原田健
ヘアメイク=藤原羊二(UM)
舞台情報
J-CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ 詩楽劇 『沙羅の光』 ~源氏物語より~
日時:2024年1月3日(水)~1月7日(日)
場所:東京国際フォーラム ホールD7
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