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遂に八冠へ到達した藤井聡太の10月の対局を振り返る!

2023.11.6(月)

大逆転で王座戦第4局を制し、前人未到の八冠制覇を成し遂げた。タイトル戦はいまだに無敗だが、対抗する棋士が現れるのはいつになるだろうか。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。
 
10月6、7日に第36期竜王戦七番勝負第1局で伊藤匠七段と対戦。伊藤の先手で相掛かりから、互いに用意が十分の激しい変化へ進んでいく。攻めの形を作ってペースをつかむと、2日目に入ってリードを拡大。最後は分かりやすく一手勝ちに持ち込み、開幕戦を制した。
 
10月11日に第71期王座戦第4局で永瀬拓矢王座と対戦。角換わりから永瀬の研究にペースをつかまれ、苦しい展開となる。時間切迫の中で粘り強い指し手を続けて一時は逆転に成功するが、永瀬の巧みな受けの前に再び劣勢となる。最後は明快に負けのようであったが、形作りに思えたところからまさかの大逆転。急転直下で勝ちが転がり込んでくる。これで五番勝負を3勝1敗とし、残された最後のタイトル王座も奪取し八冠へ。内容的には押されていたシリーズだが、持ち前の終盤力で勝ちをもぎとった。

八冠の快挙を成し遂げた藤井聡太
八冠の快挙を成し遂げた藤井聡太

10月17、18日に竜王戦第2局で伊藤七段と対戦。角換わり腰掛け銀から先手の藤井が先攻。鋭い踏み込みでリードを奪うと、一転自玉の安全を図り優勢をキープしにいく。最後も巧みな玉さばきでしのぎ、七番勝負を2連勝とした。
 
10月21日に第44回将棋日本シリーズJTプロ公式戦準決勝で永瀬拓矢九段と対戦。角換わりから早い段階で攻め合いになる。後手番ながら攻め掛かってペースをつかむと、そのまま粘りを許さず圧勝。11月19日に行われる決勝では渡辺明九段─糸谷哲郎八段戦の勝者と対戦する。勝てば2連覇となる。
 
10月25、26日に竜王戦第3局で伊藤七段と対戦。相掛かりから互いに銀を繰り出して、序盤から長考の応酬となる。難解な応酬だったが、藤井の反撃が良いタイミングで、少しずつ形勢が傾いていく。最後は正確なしのぎと寄せで制し、七番勝負を3連勝とした。第4局は11月10、11日に行われる。勝てば防衛で3連覇だ。

第31期銀河戦本戦はHブロック最終戦で羽生善治九段(12勝3敗)と対戦する。放映は11月2日。
 
第73回NHK杯将棋トーナメントは3回戦で久保利明九段(4勝3敗)と対戦する。

SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2023の開催が決定。藤井は西側での出場が決まっている。6対6の東西対抗戦は12月に行われる予定。

文=渡部壮大

放送情報【スカパー!】

第71期 王座戦 五番勝負 第1局 永瀬拓矢王座 vs 藤井聡太竜王・名人
放送日時:11月13日(月)13:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります