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沢尻エリカ、薬師丸ひろ子が「1リットルの涙」で見せる迫真の演技!

2023.10.26(木)

難病と闘うヒロインの青春を、彼女を支える家族や友人、医療の限界に挑む医師らの姿とともに描いたテレビドラマ「1リットルの涙」(2005年)。15歳の時に脊髄小脳変性症を発病し、25歳でこの世を去った実在の女性・木藤亜也さんの日記をまとめた原作は、1986年の出版以来、200万部以上の発行部数を誇るロングセラー。彼女の生きた軌跡は日本を飛び越え世界中で読まれており、初版発行から40年近くが経つ今なお多くの人たちに生きる勇気を与え続けている。

このドラマのヒロインである池内亜也は、豆腐店を営む人情派の父、保健師として働く頼れる母、そして3人の弟妹に囲まれ、平凡ながらも賑やかで楽しい毎日を送る15歳の少女だ。

高校受験を終え、無事に名門進学校へと入学して期待に胸を膨らませる亜也だったが、すでに病魔は忍び寄っていた。ある日の朝、元気よく家を飛び出したところ、足がもつれて店先で転倒し、アゴを怪我してしまう。母の潮香は慌てて亜也を病院に連れて行くが、転倒の際に手をつくそぶりがなかったことを怪訝に思い、診察した医師に相談。神経内科で検査を受けた結果、亜也の脊髄小脳変性症が発覚する。

亜也を演じているのは、映画「パッチギ!」(2005年)のリ・キョンジャ役で見せた演技が評判を呼び、実力派の若手女優として当時注目を集めていた沢尻エリカ。恋に部活にと希望に満ち溢れていた未来が突然奪われ、絶望的な日々へと変わってしまった葛藤や苦しみは言葉で言い表すことすら難しい。そんな亜也の心境を表現していく沢尻の演技は驚愕の一言。例えば、病気の告知後のシーン。なんとなく察していたものの実際に脊髄小脳変性症と伝えられたショックは大きく、帰宅後に「なんで病気は私を選んだの」「神様は不公平だよ」と泣き崩れてしまうが、まるで沢尻自身が告知を受けたのかと錯覚させるほど真に迫っている。

病と闘う亜也を懸命に支える家族の絆も本作に欠かせない要素だ。陣内孝則、薬師丸ひろ子の名優が見せる両親の演技からは、娘を想う親の深い愛情がひしひしと伝わってくる。特に亜也の病気を誰よりも早く知った潮香が誤診の可能性や治療方法を求めて駆け回る姿は、見ていて痛々しさすら覚えるに違いない。

ドキュメンタリー作品と見紛うほどリアリティーに溢れる沢尻をはじめとした出演陣の演技にも注目しながら、涙なくしては語れないストーリーの結末を見届けてほしい。

文=安藤康之

放送情報【スカパー!】

1リットルの涙
放送日時:11月6日(月)12:10~
放送チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります