ジュノ(2PM)が袞龍袍姿で体現する甘々の愛情表現...「威厳ある名君」と「恋に溺れる男」のギャップあふれる二面性

2023.9.11(月)

8月に最終回を迎えた主演ドラマ「キング・ザ・ランド」が大きな反響を呼んだジュノ(2PM)。共演した少女時代・ユナと熱愛のウワサも飛び出すほどの情熱的なロマンスは大きな話題となり、Netflixのグローバルチャートでも上位を記録。改めて"俳優ドル"としての実力を見せつけた。

そんなジュノが俳優として高い評価を得た作品が、除隊後復帰作として挑んだ「赤い袖先」(2021年)。"袖先シンドローム"に陥るファンを続出させるなど、秀逸なラブロマンスとしても圧倒的な支持を集めたジュノの代表作ともいえる時代劇だ。

18世紀に実在した朝鮮王朝の名君イ・サン(正祖)の"若かりし日"を描き、王に仕える官女であることを示す、赤く染めた袖先"クットン"がタイトルの由来となった本作。没落した一族の娘で見習い宮女として働くソン・ドギム(イ・セヨン)と、国王の正式な後継者となる世孫イ・サン(ジュノ)との身分違いの恋愛模様を描いた作品だ。

明るく聡明で誰からも愛されるドギムと、殺伐とした権力争いに晒され孤独に暮らすサン。偶然出会った2人はやがて想いを通わせ合うようになるが、身分違いの恋には数々の障壁が立ちはだかる。国を第一に考えねばならないサンと、サンを健気に支えるドギムの満たされない想いはすれ違いを繰り返す。

イ・サンといえば、後の李氏朝鮮第22代国王・正祖であり、数々の映画やドラマの題材とされてきた名君として知られているが、「赤い袖先」で描かれるサンは名君になる前のまだ若く不器用な青年。袞龍袍(王の執務服)を身に着けた様は威厳にあふれてはいるが、真面目過ぎるあまり官女たちの身だしなみや言葉遣いにも神経をとがらせ、周囲から恐れられている存在として描かれている。

そんなサンが世孫とは知らず、彼の高慢な態度に腹を立てるドギム。ラブコメのお約束とばかりの"最悪"の出会いから始まり、顔を合わせれば口論ばかりだった2人の関係は、ドギムがサンの世話係になったことで一変。やがてサンは、物語の朗読がうまく、世孫相手でも言うべきことを我慢しないドギムに惹かれていく。

官女同士の女子トークを偶然耳にし、ドギムに慕われていると知ったサンがこっそり「いい気分だ」とはしゃぐ場面は、恋に一喜一憂するかわいい姿にキュンとなる名シーンだ。

想いを通わせ合い、熱烈なハグやキス、「この世に生を受けて、恋い慕った人はお前だけだ」というサンの甘い言葉など幸せムードいっぱいの時を過ごす2人だったが、やがてサンが王になると、朝廷内の複雑な事情が2人の関係にも少しずつ影を落としていく。

王として時には愛するドギムを後回しにしなければならないサンと、分かってはいても寂しさを募らせるドギムのすれ違いがなんとも切ないこと。護衛に恋のアドバイスを求めるなど、恋に胸を焦がしながらもドギムの本心がわからず戸惑う不器用なサンを、ジュノは丁寧に表現しており、威厳ある王イ・サンの顔と、ドギムにだけ見せる甘々な"恋する男"の顔のギャップには萌えること必至だ。

ジュノとセヨンの好演もあって、視聴率5.7％からスタートした「赤い袖先」は最高視聴率17.4％を記録。「2021 MBC演技大賞」ではジュノとセヨンの最優秀演技賞W受賞、ベストカップル賞など8冠を達成。「第58回百想芸術大賞」でもジュノがテレビ部門男性最優秀演技賞を受賞するなど、その輝かしい成績からも反響の大きさは窺える。

アーティストとして今夏にソロ来日アリーナツアー「LEE JUNHO Arena Tour 2023 "また会える日"」を成功させ、2PMのメンバーとしては10月に7年ぶりとなる完全体での来日コンサート「2PM 15th Anniversary Concert＜It's 2PM＞in JAPAN」を控えるジュノ。脚光が集まる今こそ、"俳優ドル"としての真価を堪能してみてはいかがだろうか。

文＝酒寄美智子

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