南沙良と大西流星(なにわ男子)が奇怪な事件の真相を追う...映画「この子は邪悪」
2023.9.7(木)
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「ドラゴン桜」や「鎌倉殿の13人」などに出演し、注目を集めている女優・南沙良が主演を務め、歪んだ"家族愛"をテーマを描いたのが、映画「この子は邪悪」だ。現在、主演ドラマ「紅さすライフ」で起業を目指す青年を好演している大西流星(なにわ男子)も出演し、苦しむヒロインをなんとか助けようとする幼なじみを演じている。
本作は「嘘を愛する女」、「哀愁しんでれら」、「マイ・ダディ」などの作品を送り出してきたオリジナル作品企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017」の準グランプリ作品を映画化したもの。「ノイズ」、「ネメシス」などの脚本を手がけた片岡翔が監督と脚本を担当している。

(C)2022「この子は邪悪」製作委員会
南が演じる窪花は、5年前に家族で遊びに行った先で交通事故に巻きこまれ、家族の中で唯一、自分だけが軽症だった。心理療法室を営んでいる父の司朗(玉木宏)は足に後遺症が残り、母・繭子(桜井ユキ)は昏睡状態のまま。妹の月は顔に火傷を負ったため、家でも仮面をつけて生活している。そんな花の家庭に関わることになる四井純(大西)は、正義感が強いながらも、母親が精神を病んでいるために自身も心に闇を抱えている高校生。誰を信じたらいいのかわからない不穏なストーリー展開の中、心に深い傷を負いながらも家族に起きていることに「何かがおかしい」と違和感を持っている花は、見る人が最も同調できる存在だ。自身も揺れ動きながらも花を助けようと奮闘するバディ的役割の純。2人は5年前の事故によって起きたことの真実に辿りつけるのか?
■孤独を抱えながら生きる長女を演じる南の表情に注目
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(C)2022「この子は邪悪」製作委員会
「ドラゴン桜」で南が演じた女子高生・奈緒は明るい性格だったが、実は影のあるキャラクターを演じることが多い南。本作で演じている花は事故の悲惨な記憶を引きずって不登校でありながらも、父や母のことを思い、まだ幼い妹にも寄り添っている女の子だ。
しかし、ある日、父が「奇跡が起きたよ」と植物状態だった母を突然、家に連れてくる。その時、花はその状況に不思議な違和感を覚えるのだった。父は「整形したからだ」と言うが、以前の母と何かが違うように感じたのだ。
一方、純は、心理療法室で催眠療法を行なっている花の父のことや、5年前の事故について密かに調べていた。退院する前に花の母を目撃したという純。そんな純と距離が近くなるうちに、花の中には幼い頃の思い出がフラッシュバックし、戻ってきたはずの家族への疑念が生まれていく。内に抱え込む性格の花の葛藤や恐怖を、南の表情が雄弁に物語っている。
■異変に気づいたゆえに巻き込まれる...大西演じる純が重要な役割を担う
不穏な映像から始まり謎解きのように進んでいく本作で、近くで起きている異変にいち早く気がつくのが純だ。カメラを向け、ことの真相に近づこうとするがゆえに、いつしか巻き込まれていく...そんなポジションを大西が演じている。温厚で家族を愛する花の父・司朗から催眠療法を施され、一時的に我を失うが、自分の母や花を救うために時に感情を剥き出しにして問題に立ち向かっていく。
タイトルの「この子は邪悪」が意味するものとは?南と大西の演技に注目しながら、リアルとホラー、ファンタジーが交錯するストーリーを楽しんでほしい。
文=山本弘子
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