中毒者を続出させた「ごめん、愛してる」から約20年...異端の韓流スター、ソ・ジソブが放った強烈な存在感
2023.8.21(月)
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6月より日本公開されている映画「告白、あるいは完璧な弁護」では、40代半ばにして、スリラーというジャンルに初挑戦したソ・ジソブ。ベテランとなった今も多彩な役柄で新たなチャレンジを続けている一方で、約20年前に放送された代表作「ごめん、愛してる」(2004年)で見せた鮮烈なイメージが、未だに記憶に刻まれているという人も多いのではないだろうか。
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日本初放送から今年で20周年を迎える「冬のソナタ」が一大ブームを巻き起こしていた2004年に放送された「ごめん、愛してる」。その反響は凄まじく、韓国では登場人物のファッションやセリフをマネする熱狂的なファンが続出。彼らは韓国語タイトルの「ミアナダ、サランハンダ」の頭文字をとった"ミサ廃人"と呼ばれ、主演を務めたジソブは「百想芸術大賞」でテレビ男性最優秀演技賞を獲得。名実共に代表作を得て、一躍大ブレイクを果たした。
韓国放送から10年以上が経った2017年には長瀬智也主演の日本リメイク版が放送されるなど、改めてオリジナル版が再注目されるきっかけに。チョ・インソン、ハ・ジウォンらと衝撃的な恋愛模様を繰り広げた同年の主演ドラマ「バリでの出来事」(2004年)と並び、ジソブという強烈な個性にドはまりするファンを多く生み出した伝説の作品だ。
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「ごめん、愛してる」でジソブが演じたのは、幼い頃オーストラリアに養子に出されたものの、養父母に捨てられてストリートチルドレンとして野良犬同然で育った青年・ムヒョク。ある時、初恋の人の結婚式で銃撃事件に巻き込まれ頭に被弾したムヒョクは、奇跡的に一命を取り留めるが、完全に銃弾は摘出できず余命宣告を受けてしまう。
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命の期限を抱えて祖国・韓国へ戻ったムヒョクをさらなる宿命が翻弄する。唯一の手がかりだった指輪を頼りに実母・ドゥリ(イ・ヘヨン)を捜し当てるのだが、彼女は実は往年の大女優。しかも、経済的な理由からやむなく自分を養子に出したと思っていたドゥリには、人気歌手の一人息子・ユン(チョン・ギョンホ)がいるという残酷な現実に直面する。贅沢で何不自由のない2人の幸せそうな姿を見たムヒョクは静かに涙を流し、ドゥリへの復讐を決意する。
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苦しい現実と切ないすれ違いが、次々とムヒョクを襲う。「冬のソナタ」で一躍日本でも爆発的人気を集めた"ヨン様"ことペ・ヨンジュンを筆頭に、当時の"韓流スター"といえば爽やかな正統派イケメンが主流だったが、その中にあってムヒョクは憎しみと孤独に囚われたキャラクター。周囲を明るくするような華やかな笑顔は皆無だが、必死に生き抜く姿が観る者の胸を打ち、たまに浮かべる人懐こい笑顔も胸を締め付ける。演じるジソブの存在感は圧倒的だ。
そして、そんなムヒョクの人生を照らすのが、ユンを健気に支える幼なじみのウンチェ(イム・スジョン)との出会いだ。
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オーストラリアにいた頃、偶然知り合ったウンチェは、明るくポジティブで誰にでも分け隔てなく接する心の美しい女性。ムヒョクとは出会いこそ最悪だったが、その人柄にムヒョクは少しずつ惹かれていく。スーパーで買い物をしたりカクテキを漬けたり、ウンチェとのそんな何気ないできごと一つ一つが、家庭の温かさを知らないムヒョクの心を癒やしていく。
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頭に打ち込まれた銃弾のせいで吐血や昏倒などの症状が出始めたムヒョクに安らぎを与え、時には母ドゥリへの憎しみさえも忘れさせてくれるウンチェの愛情。だがムヒョクは、小さな誤解からそんな安らぎすらも手放してしまう...。演じるジソブの武骨な言動がムヒョクの不器用な生き様と重なり、見始めたら止まらない中毒性のある世界観を作り上げている。
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次々と起こる悲しく辛い出来事の中から浮かび上がるのは、人を愛する思いの尊さ。誤解とすれ違いの果てにムヒョクとウンチェがたどり着く愛の結末には涙を禁じ得ない...そんな記憶に残る名作ドラマだ。
文=酒寄美智子
放送情報
ごめん、愛してる
放送日時:2023年8月22日(火)12:00~
※毎週(月)~(金)12:00~
チャンネル:女性チャンネル♪LaLa TV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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