ファーストサマーウイカが映画「炎上する君」で感じた不思議な気持ち「他にはない特別な経験をさせていただきました」
2023.7.31(月)
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ファーストサマーウイカが、8月4日(金)公開の映画「炎上する君」に出演。うらじぬのが演じるおかっぱ頭の梨田の親友で、おさげがトレードマークの浜中を体当たりで演じている。
同作は、西加奈子の傑作短編小説を、ふくだももこ監督が映画化したもので、何度も現実に絶望する2人の女性が世にも奇怪な「炎上する男」を探すシスターフットムービー。原作小説で描かれた「ルッキズムに傷つく親友同士の梨田と浜中が、足元が燃えている男のうわさを聞きつけ探し始める」という骨格はそのままに、キャラクターの背景やストーリーを大胆に改変。女性への抑圧に日々絶望しながらも自由と解放を追い求める2人が、無自覚な差別や偏見、ラベリングに傷つく人たちを救っていく姿を通して、新しい連帯の形を提示している。
唯一無二の親友同士である梨田(うらじ)と浜中(ウイカ)は、銭湯の湯に浸かりながら「50代の男性と14歳の少女の真剣な恋愛」や「政治家の女性蔑視発言」「医学部での女性受験者の一律原点」など、炎上が相次ぐ女性への抑圧に日々憤っていた。そんな折、「炎上する男」のうわさを聞きつけた2人は、一度でも目にしたいと好奇心を頼りに探し始める。
今回、ファーストサマーウイカにインタビューを行い、役作りや演じる上で意識したこと、わき毛を晒して踊るシーンにおける思いなどについて語ってもらった。
――出演を聞いた時の感想は?
「この作品は、ふくだ監督が『うらじさんで1本撮りたい』ってなった時に西加奈子さんの『炎上する君』がぴったりなんじゃないかというところから企画が始まって、いろいろ加筆されて、原作とはまた違った形での映画化となったものなのですが、『うらじさんの梨田に対して、浜中は誰がいいだろう?』ってなった時に私の名前を挙げてくださって、オファーをいただきました。私という人間と浜中に印象的な共通項がないから、最初は『なんでだろう?』という思いがありました。でも、浜中には梨田という人間を突き動かすだけのパワーのあるキャラクターである必要があるので、そういう意味で私のエネルギッシュなパブリックイメージからオファーをいただいたんだろうなと思いました」
――役作りについて教えてください。
「"あくまで梨田という人間を開いていけるようなパワーを持つ"ということを根底に作っていったのですが、基本は梨田ありきで作りました。『梨田がこうだから、(浜中は)こう』といった形ですね。というのも、浜中自身がそういう人間で、梨田に対して憧れを持って尊敬していて、梨田という存在ありきで自分の存在を認識しているような感じがしたので。
そういう感情ってすごく理解できるんですよね。教祖とか先生、師匠などに対する『この人のそばで、属していたい』というのって、人としてよくある感情じゃないですか。それが浜中にとっては梨田だったと。だから自然と梨田に服装やしゃべり方が似てきちゃっていて、もし梨田と出会っていなければめっちゃギャルだったかもしれないですし(笑)。"梨田と出会ったからこうなった"というのが、私がたどり着いた答えでした」
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――他のキャラクターありきの役作りというのは、大変そうですね。
「実は衣装合わせの時も、梨田はすぐに決まるんです。『梨田が着てそうだよね。このTシャツ』とか『これ梨田っぽい!』って。でも、浜中は全然決まらなくて、『長ズボンですかね...?』とか言いながら、監督も私もみんな手探りで浜中を探していました。そういったところから、『梨田がこうだから、浜中は...』という感じで少しずつ構築していきました」
――演じる上で意識したところは?
「普段の芝居だと、自分の中でプランを立てて、現場で『こんな感じはどうですか』という感じで提案しながらセッションしていくみたいな感じなんですけど、浜中に関しては『プラン立てていくと、"やってる感じ"が出ちゃうな』と思いまして。梨田と浜中ならではの歯切れよく勢いのあるしゃべり方を、彼女たちにとっては意図せずに自然に出てくるものなのでナチュラルに話しながら、他の役者さんとは芝居のテイストが違っていて異質に見えるというところでのさじ加減に関して2人共すごく意識しました」
――うらじさんと互いの役柄についてディスカッションなどされたのですか?
「本読みで監督含め3人で、物語や各キャラクターについての背景や想いの部分はディスカッションしました。そこで方向性だけ共有してそれ以外は、お互いに役者の視点で何か言い合うようなことは無かったです。実は、撮影初日の1シーン目が街中で踊るシーンで、しかも完全アドリブだったんです。そこで、言葉なく動きだけで梨田と浜中が通じ合うことによって、うらじさんと互いの温度や空気で(役柄を)感じ合って、"そうでしかなかったから、そうなっていった"という感じで自然とつかみ合えたんです。半ばドキュメンタリーのような気持ちでした。完成した作品を観ても、よくある『もっとこうすれば良かった』『こうできていたら...』というようなこともなくて、『ああでしかなかったもんね。むしろもう一回あれをやってと言われたら困る』というくらいで。私だけではなく、うらじさんも同じように感じていたらしいのですが、すごく不思議な他にはない特別な経験をさせていただきました。その空気が生まれたのは監督のおかげで、監督が誰よりも涙を流しながら一番のファンのような状態で感極まりながら撮ってくれていたからなんです」
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――わき毛を見せて踊るという珍しいシーンもありますが、そこにおける思いについて教えてください。
「映像としてはセンセーショナルだとは思うのですが、浜中でいると『そうだよな』という感じなんですよね。もちろん、最初に台本を読んだ時は『おお...』という感じはあったのですが、この作品に関わったことで、『わき毛を見せるんだ...』って思う事自体が固定観念を植え付けられているんだなと思いました。男性は生えていても何も思わないのに、女性だと一瞬『ん?』ってなる。よく考えるとすごく不思議だし、それこそが固定概念にとらわれているんだと改めて考えさせられました」
――最後に映画をご覧になる方々にメッセージをお願いします。
「受け取り方もさまざまで、観る人によってはすごく響く方もいれば、全く何を言っているのか分からない方もいるかもしれないのですが、『どこが一番印象に残ったか』という質問をしたら、全員が多分違うシーンを挙げるだろうなというくらい、短いながらも奥深い作品になっているので、ぜひ劇場で観ていただきたいと思います」
文=原田健 スタイリスト=近藤伊代 ヘアメイク=吉田真妃
衣装=DISAYA(ブラウス)、Lemon(ドレス)
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