江口洋介がスーパー外科医に!松雪泰子演じる女医との衝突など救命救急医療を取り巻く人間模様も描いた「救命病棟24時(第2シリーズ)」
2023.7.16(日)
救命救急医療の現状を、医師たちの人間模様や家族愛などをテーマに描いたヒューマンドラマ「救命病棟24時」。1999年放送の第1シリーズは平均視聴率20.4%という高い支持を集め、続編の連続ドラマが4作、スペシャルドラマが5作の計10作品に及ぶ医療ドラマを代表する息の長い人気シリーズとなった。医療ドラマといえばスーパードクターの活躍を描くというイメージを覆してヒットした本作以降、チーム医療を取り上げる作品が増えていることからもその影響力の大きさを伺い知ることができる。
そんな「救命病棟24時」の第2シリーズが放送されたのは、第1シーズン終了から2年後の2001年。主演は前作に続いて江口洋介が務めたがキャストはほぼ刷新され、松雪泰子や渡辺いっけい、伊藤英明、小日向文世など、若手、ベテランを問わず実力派の面々が新たに顔を揃えた。
舞台は、港北医大に新たに設立された救命センター。医局長・小田切薫の下、時間を問わず次々と運ばれてくる患者を前に慌ただしい毎日を過ごしていた。ある日、空港での作業中に8mの高さから転落した空港作業員がヘリコプターで搬送されてくる。患者は非常用マスクを利用して気道確保するなど、驚くほど適切な応急処置が施されていた。この処置を行った人物こそ、進藤一生だ。患者に付き添って救命センターに降り立った進藤がうまく処置ができないでいる女医・香坂たまきの様子を伺っていると、彼を知る看護婦の桜井ゆきから助けを求められる。1度はここの人間ではないとして拒むも、香坂の処置を見かねて初療室に飛び込むと的確な指示で1人の患者の命を救うというのが物語の序章となる。
緊迫感のあるカメラワークもさることながら、本作の魅力は登場人物のバックボーンまで深く掘り下げているところだ。
江口演じる進藤は患者を最優先に全力を注ぐ、いわゆる現場主義の救命医。第1シリーズ後は医者を辞めていたが、その腕を見込んだ小田切に請われて救命センターの一員に加わった。一方、松雪演じる香坂は、心臓外科医として将来を嘱望されながらも第一外科から、いわば左遷される形で救命センターに異動してきた。医者としても現場より研究優先で、今日の10人より研究で10年後の10万人を救うことを信念としている。そんな信念の違いもあって何かと衝突する2人だが、ストーリーが進むにつれて互いを理解し認め合っていく心情の変化は本作の見どころの1つといえる。
また、物語の最後に救命センターを襲う大きな悲しみも、そこに至るまでのキャラクターの葛藤や苦悩が丁寧に描かれているからこそ、思わず感情移入してしまうのだ。
キャラクター像に注目しながら、あらためて「救命病棟24時」を楽しんでみてほしい。
文=安藤康之
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