「ブラッドハウンド」での強烈な肉体表現も話題のウ・ドファン、その勢いを感じさせる除隊後初となるロマンス時代劇

2023.7.7(金)

6月に配信が開始されるや、強烈なファイトシーンと熱いブロマンスで世界中から高い評価を集めている「ブラッドハウンド」。その鍛え上げられた肉体を見せつけ、悪徳闇金業者に闘いを挑む主人公のボクサーを演じているのが、7月12日(水)に31歳の誕生日を迎える若手注目株、ウ・ドファンだ。

骨太な社会派ドラマ「マッド・ドッグ〜失われた愛を求めて〜」(2017年)やファンタジーロマンス「ザ・キング：永遠の君主」(2020年)などに出演し、着実に人気と実力を積み重ねてきた彼は2020年に兵役に就くと、2022年1月に除隊。今年に入ってからは目を見張る活躍ぶりを見せている。

今年4月には、韓国の人気バラエティ「シングル男のハッピーライフ」(韓国放送日：2023年4月28日※日本では7月8日(土)にKNTVにて日本初放送)に出演。独身住まいの自宅＆私生活を公開し、部屋に自分の写真を飾るナルシストぶりや、韓国の人気ウェブ漫画家・ギアン84が大好きという意外な素顔もオープンに。除隊復帰後、新作が相次ぐ中でも、自身の魅力をしっかりとアピールしたバラエティも注目を浴びた。

そんなドファンの魅力といえば、何といっても硬軟自在の演技力。今年5月に韓国で最終回を迎えたばかりの除隊後復帰作「朝鮮弁護士(原題)」では、巧みな弁舌と並外れた状況把握能力で勝訴を勝ち取っていく"外知部(ウェジブ)"を演じ、持ち前の演技力を存分に発揮している。

8月からの本放送開始に先駆け、7月25日(火)にKNTVにて第1話が先行放送される本作は、朝鮮時代を舞台に、百戦錬磨の弁護士が親の仇を討つために権力者に挑む痛快な法廷ロマンス時代劇。ドファンが演じる"外知部"とは、朝鮮時代の弁護士にあたる役職だ。

女装してみたり、鍛え上げた体を披露したりと普段はユーモラスでお調子者のハンスだが、実はあらゆる法に精通しており、さらに一度読んだ文章は忘れないという頭脳明晰な人物。勝訴のためには手段を選ばず、ここぞというところで顔色一つ変えずに相手を言葉で追い詰めていく姿はクールで、痛快この上ない。

本作は、ドファンにとって「私の国」(2019年)以来2度目の時代劇作品。時代劇のカリスマ、チャン・ヒョクと共演した「私の国」以降、自身の演技に磨きがかかったことは実感しているようで、「朝鮮弁護士(原題)」の制作発表会でも、撮影を進める過程で「確かに3～4年前(「私の国」当時)の僕とはかなり異なるということに気づいた」と自信を覗かせていた。実際、場面によって印象を変えるハンスのキャラクターはユニークで、新たな魅力を開拓したという印象だ。

先王の娘という身分を隠してハンスに近づくヒロインのソウォンを演じるのは、「二十五、二十一」のキム・ジヨン。序盤こそハンスを悪人と誤解し敵視するが、彼の能力を知り、自分の復讐に利用するため近づいていく。そして、2人の間に少しずつ芽生えていくロマンスが物語の深まる沼へと誘い込む。最悪な出会いからキュンへと発展するというラブロマンスの"定番"のような展開ではあるものの、ドファンが演じるとどこか新鮮に映る。

「朝鮮弁護士(原題)」の脚本を担当したのは、甘く切ない三角関係で多くのファンを魅了した時代劇の名作「七日の王妃」のチェ・ジニョン。そんなロマンスの名手が生み出すハンスとジヨン、そしてチャ・ハギョン演じる名家出身の青年・ジソンの三角関係も、ドラマの大きな見どころだ。

兵役を経て、大人の男性としても一回り大きくなった感のあるウ・ドファン。「朝鮮弁護士(原題)」では、その厚みを増した存在感が存分に発揮されており、一つの型にはまらないスケール感を漂わせる。ハンス役を通して、その硬軟自在な演技力に改めて注目したい。

文＝酒寄美智子

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