にじさんじ所属VTuber・剣持刀也がリアルソロイベント【虚空大戦】で見せた一夜のエンターテインメント

2023.6.23(金)

圧倒的なトークスキルでVTuber/バーチャルライバープロジェクト「にじさんじプロジェクト」を牽引する剣持刀也。彼が「虚空教」の教祖として君臨する、約2年半ぶりとなるリアルソロイベント【虚空大戦】が6月11日、神奈川県・KT Zepp Yokohamaにて開催された。

荘厳な教会に虚空教が発行する「虚空教新聞」が舞い散るというドラマチックなオープニングムービーに続き、剣持がステージに登場。最初のコーナーは、来場者から寄せられたお悩みに答えていく「剣持刀也のSharpness Radio」の1コーナーの出張版となる「リアル剣持が斬る」。

「ぶち壊したい」という物騒な悩みについては「出て行ってくれ！」と叫び、「V(Tuber)を少し見下している父に、バカにするような意識を変えてくれないかなぁと思ったりしている」という悩みには「押しつけるな！」と一刀両断するなど、剣持の絶妙なバランス感覚が炸裂する。

そして「教えてください。虚空教って一体なんですか？」という質問を呼び掛けた瞬間、軽快なBGMが止まり、会場も一気に暗闇に覆われる。困惑の声が上がる会場だったが、そこへ剣持の歌声が響き、ゆったりと椅子に座り、教祖然としたスタイルで「ロウワー」をクールにパフォーマンス。そして、「虚空教。それは剣持刀也が教祖を務める宗教でございます。信仰対象は神や人、教祖なんかではありません。虚空です。虚空とは何か。虚空とは、この世に存在するすべてのはじまりです。人類が誕生して20万年、人間はとても豊かに、そして弱くなりました。ものが溢れる世の中、あるがゆえに、失えるがゆえに、かんたんに傷つき、病める者がなんと多いことでしょうか。どうか忘れないでいただきたい。我々は元々、何も持っていなかったはずです。虚空は必ずやあなたたちを強くしてくれるはずです」と、虚空教の教祖に変貌。そして、剣持刀也の頭文字を模した虚空教のシンボル「T」に思いを馳せる祈りの儀式で歌を歌い始めるも、その微妙な歌声に会場からは笑い声があちこちから起こる。剣持は「笑ってないで。みんな、これに来たんだよね！　皆さんも歌うんだから！　一人にしないで！」と、教徒と共に不安をかき立てるメロディーを歌い続けていると、何者かに突如拉致され、宗教裁判に掛けられる剣持。

裁判官に扮したゲストの伏見ガクと椎名唯華、証言台に立った叶の告発によって死刑が宣告されるも、見事逃げおおせた彼を助けたのは剣持の着ぐるみ。剣持がモチダヨーに感謝を述べていると、「宗教法人アブソリュートソサエティ」の教祖を名乗る叶がステージに現れ、叶の着ぐるみとの戦いや、「究極の調和エクストリーム だるま落とし」といったゲームでバトルを繰り広げた。勝負に負けた叶は、虚空教に改宗し、そのお祝いとして2人で「イカサマライフゲイム」を熱唱し、会場を盛り上げた。

続いて、えらい教教祖・椎名唯華とは「どっちを許す！？許されシチュエーションバトル」で、失敗シチュエーションを演じ、観客の拍手で勝敗を決定する。最後の出題では、叶とコラボ配信の約束をしていたが、3時間オーバーの寝過ごしをした際の言い訳というシチュエーションで競い合うこととなり、2年と3時間前から叶がずっと剣持とプレイしたいと願っていたというゲームで遊ぼうと誘ったことで勝利を収めた。そして椎名も虚空教に改宗し、「QUEEN」では剣持と絶妙なハーモニーを響かせた。

そして、剣持とユニット「咎人」を組む伏見ガクが、ピース教の教祖として「知性と運の激！！！クイズofギャンブル」で剣持と対決。クイズの答えにコインを掛けて正解すると掛け金の2倍を獲得できるというゲームでは、剣持の「メタ読み」がことごとく的中。最後は、2人が「蝉と龍」のカップリングについて語り合った、2019年に話題を呼んだ配信からの出題により、34枚対0枚で、剣持が見事勝利し、伏見も虚空教に改宗。お祝いで「ロキ」を息の合った熱いパフォーマンスを披露し、会場を沸かせた。その後、再び伏見、椎名、叶を迎え、4人が集っているところに、剣持の着ぐるみの死亡の知らせが入る。運営から送られてきた謎の石を使い、モチダヨーを復活させた。イベント冒頭で「ぶち壊したい」というメッセージの送り主がモチダヨーだと明かされた後の、ドラマチックな展開は、エンターテイナー・剣持刀也の真骨頂と言えるだろう。

その後、新衣装で甦った剣持とゲスト陣が「HOLLOW HUNGER」で、それぞれの個性をいかした見事なハーモニーを響かせ、虚空教をめぐる騒動にピリオドが打たれた。そして、ソロイベントの締めくくりとして、自身のイメージソング「Sharpness...」をエアギタープレイも交えて熱唱。会場のテンションを最高潮に引き揚げたまま、剣持は鮮やかにソロイベントの幕を下ろした。

文＝中村実香

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