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石川界人、瀬戸麻沙美、久保ユリカが「青春ブタ野郎」シリーズへの思いを語る

2023.6.22(木)

劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」に出演する石川界人、久保ユリカ、瀬戸麻沙美
劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」に出演する石川界人、久保ユリカ、瀬戸麻沙美

空と海の輝く街・藤沢を舞台に、男子高校生の咲太と、心揺れる少女たちとの切なくも瑞々しい思春期を描いたファンタジー作品「青春ブタ野郎」シリーズ。最新作となる劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」が、6月23日(金)に公開される。同作では、心の傷が身体に刻まれる" 思春期症候群"を発症したことで心的ストレスから記憶を無くし、約2年間、" かえで"という別人格で過ごしてきた花楓が記憶を取り戻し、未来に向けて歩き出す姿を優しくも切ないストーリーで綴る。

今回、主人公・梓川咲太役の石川界人、咲太の恋人・桜島麻衣を演じる瀬戸麻沙美、そして咲太の妹・梓川花楓役の久保ユリカにインタビューを行い、作品に寄せるそれぞれの思いなどを聞いた。

主人公・梓川咲太を演じる石川界人
主人公・梓川咲太を演じる石川界人

――2018年のTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、2019年の劇場アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」に続くシリーズ最新作となりますが、どのような気持ちでアフレコに臨みましたか?

石川「TVアニメシリーズから劇場版まで、ずっと高いクオリティで制作が続けられていましたし、僕らキャスト陣の思い入れも非常に強かったので、続きができてすごく嬉しいなという気持ちでした。それと同時に、作中でもずっと時間が経過している作品ではあるものの、僕ら自身の時間は彼らより早く進んでいる中で、彼らのいる世界に戻ってTVアニメシリーズから今回の劇場に至るまでの成長を思い出しながら演じなくてはいけないという思いもありました。そんなプレッシャーを感じながらも、嬉しい気持ちの方が強かったので、本当にワクワクしながらアフレコに臨ませていただきました。」

瀬戸「もう4年も経つのかという驚きが正直なところなのですが、TVアニメシリーズも劇場版も、毎回台本を読むのが楽しみになるくらい素敵な物語なので、続きのお話を演じられる機会があるのかなという期待もありました。今作で言うと、アニメシリーズの最後では気になるところで終わった花楓の物語が描かれるということで、楽しいだけで進んでいく物語ではないという部分はあるのですが、『青ブタ』の世界にまた入って演じられるというのは純粋にすごく楽しみで、やりがいがとてもある作品だと思っています。」

久保「今までは花楓の性格などをわかりやすくしっかり表現する場というのがない状態でしたが、今回はしっかりと彼女を描いた上で成長する姿をお見せする形になっていたので、アフレコに関しても気合がすごくいると言うか...表現の仕方を少しでも間違えてしまうと、ただのヒステリックな子に見えてしまうところもあるのかなと思ったので、そこはバランスをとりながら、花楓の持つ" 繊細さ"をしっかり表現できるようにやらなきゃいけないなという気持ちでアフレコに挑みました。」

瀬戸麻沙美
瀬戸麻沙美

――TVシリーズで描かれた「かえで」との別れに続き、戻ってきた「花楓」の物語が本格的に動き出しますね

石川「前回の劇場版にも花楓は登場しているのですが、その時の対応としてすごく複雑なものがありました。というのも、咲太は花楓に対して、花楓を取り巻く環境、両親の問題などもあって、自分自身の思いを重ね合わせた上で複雑な気持ちがあるんです。もちろん妹としてずっと接してはいるのですが、ちょっと僕の語彙力では表現しきれない複雑な感情をずっと含んだままでの接し方になっているのかなと思います。でも、次回作『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』の制作も決まっているので、その布石としての感情を持った上で演じているつもりです。」

瀬戸「咲太だけは他のみんなと違って、最初の人格の"花楓"を知っているんですよね。私が演じている麻衣さんたちは" 花楓"を知らない状態での出会いだったので、言葉にも態度にも出してはないものの、どう接していこうというのは探りつつみたいなところがあったんじゃないかなと感じています。でも、ちょっと引っ込み思案なところもあるけれど、楽しい時はコロコロ笑ったり、そういう可愛らしい部分が" かえでちゃん"と" 花楓ちゃん"の根本だということが、麻衣さんたちにも一緒に過ごした期間で伝わっているからこそ、"花楓"も"かえで"も同じように愛して、接しているんだなと思います。」

久保「人って、生きて行く上でどうしても正解を求めたり、良くないことがあった時は解決することを目標にしたりすると思うんです。でも実際のところは、解決したようでいて実はしていないことがたくさんあるんだなというのが、"かえで"と"花楓"の存在によって気づかされたような気がしています。さっき石川くんが言っていた" 複雑な思い"というのは、どっちも正解で。物語としては、花楓に戻ったことが解決のようにも感じるけれど、でも花楓にとってはそこからの人生もずっと続いていくんですよね。そして"かえで"の存在は今後一生、花楓にとって切り離せない存在なので、そういう意味では、この2人のことを思うと『解決とは』『正解とは』というのを個人的にはすごく考えさせられます。」

久保ユリカ
久保ユリカ

――もし皆さんが峰ヶ原高校の生徒だったら、咲太たちとどんな関係でいたいですか?

瀬戸「まず知り合えるかな?」

石川「難しいと思う。」

瀬戸「咲太が他人に心を開いていないもんね。」

石川「峰ヶ原高校の生徒だったら、1回、麻衣さんにひどいことしているから...。それを僕らはもう知ってしまっているので、おいそれと話しかけられないですよね、そんな都合よく(笑)」

瀬戸「まず、入学して主人公格と接点が持てるレギュラーメンバーになれるとは思えないな。」

石川「確かに...。コミュニティオーディションにまず受からない(笑)」

久保「『もし、峰ヶ原高校の生徒だったら』だから、みんなが卒業してから入学するのは、いかがかしら。」

石川「それもありだ!」

瀬戸「麻衣さんと咲太みたいな、放課後に鎌倉デートとかしたい!」

石川「七里ヶ浜の砂浜に『彼女ができました』って書きたい!できてなくても(笑)」

――最後に映画の公開を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします

石川「この作品が皆さんの人生を考えるきっかけになってほしいなと思っています。今までの選択、これからの選択において、『それは自分がやりたいことだろうか』というところを見つめ直せるきっかけになる作品だと思います。さまざまな環境に置かれる中で、自分を見つめる目が曇ってしまっているのではないかと立ち止まり、自分自身を思い返していただける作品だと思いますので、何度も見て楽しんでいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。」

瀬戸「本作では、花楓が"かえで"という存在について葛藤しながらも、自分の進路である高校受験先を決めるという大きな決断をして行く物語になっています。その中で、花楓を取り巻く周りにいる大人たちや友達がどういう風に彼女に影響をもたらすのかを物語を通してご覧いただいて、ご自身の周りにいる人たちのことを改めて考えるきっかけになるような、みんなが優しい気持ちになれる作品になったらいいなと思っていますので、ぜひ劇場での時間を楽しんでください!」

久保「自分に自信がなかったり、自分がやっていることに不安を覚えている人が、学生さんだと特に多いんじゃないかなと思います。実は、大人になってもその不安は消えなかったりするんですけど、自分が自分であることの大切さをすごく感じることができる内容になっていると思いますので、今の時間、これからの時間、これまでの時間も全部丸ごと大切に愛してあげてほしいなと思います。この作品を見て『あ、なるほど!』って、ちょっとでも思ってもらえたら嬉しいです。」

撮影・取材・文=中村実香

公開情報

劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」
2023年6月23日(金)公開
公式サイト:https://ao-buta.com/