婚活こじらせ女子を演じる杏が、宮沢氷魚と不倫！？姉役の仲間由紀恵との掛け合いも面白いドラマ「偽装不倫」

2023.6.19(月)

もどかしい恋模様と先が読めないストーリー展開が話題を呼んだドラマ「偽装不倫」(2019年)が、7月1日(土)に日テレプラスで一挙放送される。

本作は、独身で彼氏もいない32歳の主人公がついた1つの嘘から始まるコメディタッチのラブストーリー。32歳で独身の派遣社員・濱鐘子は、二世帯住宅の実家で両親と姉夫婦と同居している。3年に渡る婚活に嫌気がさし、"婚活さよならパーティー"として博多へ一人旅立つ。乗り込んだ飛行機で、年下のイケメン男性・伴野丈と出会い、旅先で食事をすることになった鐘子。咄嗟に「既婚者」と嘘をついてしまっていたが、丈は「旅行の間だけでいいから僕と不倫しましょう」と誘う。こうして始まった"偽装"不倫。こじれていく恋にどんどんはまっていく。

原作はヒット作を多数生み出した漫画家・東村アキコによる同名漫画。リアルな心理描写とコミカルさが人気を集め、本作以外にも「海月姫」や「東京タラレバ娘」など実写化作品も多い。主演には、「花咲舞が黙ってない」第2シリーズ(2015年)以来4年ぶりの連続ドラマ出演となる杏が起用された。美貌と知性を兼ね備えながらも飾らない人柄で幅広い世代で人気を集める杏。

4月28日から公開中の『劇場版「TOKYO MER 〜走る緊急救命室〜」』では強い信念を持つクールな医師に、7月28日(金)に公開する大ヒットシリーズ3作目『キングダム 運命の炎』では正義感と母性溢れる女性を演じる。自身の芯の強さやストイックな面とリンクするような役柄も多数演じているが、コメディとの相性も良い。本作では32歳独身で彼氏なしの"おひとり様女子"を、絶妙なコミカルさでリアルに演じた。幸せになりたいと願いながらも傷つくことを恐れて踏み出せない鐘子。脳内で1人会議を繰り広げては悩んだり突っ込んだり、おどけて見せては時に自虐的に振る舞う。そんな言動の中にも、ときめかない相手との婚活に蓄積されていく虚しさ、周りから取り残されていくような不安や孤独が垣間見える。長年こじらせてきた鐘子の不器用さが愛おしく思えて、応援したくなってしまう。恋愛や自分自身への複雑な思いを、感情豊かな杏の演技が細やかにリアリティをもって表現していた。

そんな彼女の感情を揺り動かす年下イケメンの丈は、宮沢氷魚が好演した。184cmとスタイルも抜群の宮沢は長身の杏ともバランスが良く、2人がただ並んでいるだけで絵になる。澄んだ美しい瞳に柔和で爽やかな微笑み、溢れる透明感はまるで王子様のようだ。一緒に過ごす時間を純粋に楽しみ、ストレートに愛情を伝えてくれる。年下らしい可愛らしさもありながら、不倫を持ちかけたり、「会いたい」という鐘子に「おいで」と返したりする。時折見せる大胆さもまた、ときめきを加速させる。そして彼もまた秘密を抱え、傷つくことを恐れて嘘をつく。互いに思いあっているのにすれ違う2人がもどかしく、切ない。

また、仲間由紀恵が演じた鐘子の姉・葉子も、物語にさらなる波乱を巻き起こす。非の打ち所のない理想的な夫と幸せな結婚生活を送っているはずが、なぜか"独身"と偽って年下男子と不倫をしている。地味で堅物のキャリアウーマンと恋する美しい女性という二面性のあるキャラクターを仲間が違和感なく演じ切った。無茶なお願いをする葉子に、振り回されつつも結局は勝てない鐘子。2人姉妹ならではの遠慮のない掛け合いや程よい距離感も自然で、仲間と杏の相性の良さを感じさせた。他にも、谷原章介、MEGUMI、瀬戸利樹など、実力派や注目の若手もドラマを盛り上げていく。魅力的な俳優陣が織り成す物語と恋の行方を見届けてほしい。

文＝中川菜都美

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