「モブサイコ100」卒業イベント！伊藤節生、櫻井孝宏、大塚明夫らがファンと共に作品を振り返る

2023.5.30(火)

外見はいたって普通だが、実は強力な超能力の持ち主の男子中学生・影山茂夫、通称モブ。師匠であるインチキ霊能力者・霊幻新隆が営む「霊とか相談所」で厄介な依頼を手伝う日々を送るモブの"一筋縄ではいかない青春"を描くバトルアクション「モブサイコ100」シリーズ。本作の完結を記念して、「『モブサイコ100 Ⅲ』卒業イベント ～ありがとうモブサイコ～」が4月9日に東京ガーデンシアターにて開催された。

世界的にも人気を誇る作品とあって、海外からのファンの姿も目立つ客席。入場時に配布された、作中の人気キャラクター・エクボを模した握ると音が鳴る「エクボを鳴らして応援！エクボ型ボール」がいたるところで鳴り響く中、ステージ上のスクリーンにモブ役の伊藤節生の姿が現れる。イベント出演者全員で楽屋から会場へと移動する予定だったが、早めに準備が終わったという伊藤が、キャスト陣にエクボボールを渡しに行くというスタイルで各楽屋を巡ることに。

芹沢役の星野貴紀が持ち手の取れたマグカップを直そうと奮闘していたり、霊幻新隆役の櫻井孝宏がWBC日本代表スターティングメンバーを書き出していたりと、予想もつかないリアクションを見せる面々。鼻水を隠しながら歩いているツボミ役の佐武宇綺に伊藤がティッシュを差し出すという物語の再現シーンとも言える一幕には、客席から歓声が上がった。そして影山律役の入野自由と花沢輝気役の松岡禎丞の楽屋では、2人が伊藤にバリカンやメイド服を手にして迫り、エクボ役の大塚明夫と郷田武蔵役の関俊彦はエクボボールをトレーニンググッズとして活用するなど、それぞれの個性が際立つリアクションで会場を盛り上げた。

そして遂に、紅白の幕が張られて卒業式ムードのステージにキャスト陣が勢揃い。そこへ1、2期の監督で、3期では総監督を務めた立川譲と、3期の監督・蓮井隆弘も登壇し、TVアニメシリーズのエピソードを年表で振り返る「モブサイコ100 ヒストリー」のコーナーがスタート。それぞれがお気に入りのシーンを紹介する中、櫻井は、モブとエクボの絆を描いた3期の第6話「神樹③～エクボは～」をピックアップし、「ここはもう絶対外せないですよね。痺れましたね」とコメント。

「原作の素晴らしさがアニメになってさらにパワーアップしているなと思いました。オンエアでも何回か繰り返し見るぐらい、2人の芝居がすごいなと思いました」と絶賛。大塚も「やりがいがありましたね。収録の時は絵コンテを撮影した映像に声を当てるだけ音楽もで効果音も何もないんですけど、それが聞こえてくるような感じがして。すっと物語に入っていくことができて、すごくやりやすかった」とコメント。伊藤も「3期は収録の期間的に全員で録れなかったんですけど、大塚さんと一緒に収録できた数少ないシーン。一緒にやらせていただいて本当にありがたかったなと思うくらい、生の声の迫力がすごくて、マイクを通さない音を感じられたのがすごく良かった」とアフレコ当時のことを振り返った。

続いては、ファンからのお祝いメッセージやスタッフ陣のイラストが描き込まれた巨大な「卒業記念ボード」にキャスト陣も描き込むことに。それぞれの思い思いのデコレーションやイラストによって、味わい深いメモリアルボードが完成した。

そして、シリーズ1期から主題歌を歌い続けてきたMOB CHOIRのボーカル・sanaによるライブがスタート。1期のオープニングテーマ「99」、2期のオープニングテーマ「99.9」、そして3期のエンディングテーマ「コバルト」と「Exist」、3期のオープニングテーマ「1」、2期のエンディングテーマ「グレイ」をパワフルに熱唱した。

その後、再びステージに現れたキャスト陣と観客で、卒業式には欠かせない「仰げば尊し」を合唱した後、劇中の名言の中から特に思い入れのあるセリフや、今伝えたいセリフを紹介する「贈る言葉」のコーナーに。伊藤は2期の最終話に登場した「期待を裏切られることはあるし...努力が実らないこともある...伝えようとしても伝わらない人だっているかもしれない...でもそれで良いんだ。大事な部分を自分で選んで生きてさえいれば。僕の人生の主役は、僕だから」をピックアップ。大塚から「長げぇんだよ」とツッコまれると、伊藤は「だって、思いをいっぱい込めようと思ったら、こんな長くなっちゃったというか...」と照れ笑いを浮かべた。

そして、最後の挨拶。伊藤は「7年前にオーディションで出会っていなければ、本当にどうなっていたかわからないというぐらい、僕の人生を大きく変えた作品であり役でした。子どもの頃から憧れていた方々と肩を並べてお芝居をさせていただいたこと、本当に光栄でした。僕の人生でこれ以上ないかもしれない貴重な期間をモブくんと一緒に歩めたこと、本当に誇りに思います。この作品を愛してくださって、本当にありがとうございます」と、ファンへの感謝を述べた。そして、会場がひとつになって3期のオープニングテーマ「1」を歌い、卒業イベントは幕を閉じた。

取材・文＝中村実香

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