「貴公子」ペ・ヨンジュンと「清純派」ソン・イェジンの熱演!日本で記録的ヒットとなったダブル不倫映画
2023.5.24(水)
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第92回アカデミー賞作品賞をはじめ多数映画賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」(2019年)、大ヒットドラマ「愛の不時着」(2019年)や「梨泰院クラス」(2020年)と、近年注目作を連発している韓国作品。ドラマや映画だけでなく、"第四次韓流ブーム"としてK-POP人気はもちろん、ファッションにグルメと話題に事欠かない。
そもそものきっかけとなった"第一次韓流ブーム"からは今年で約20年。言わずと知れた名作「冬のソナタ」(2002年)が、日本で放送を開始した2003年は"韓流元年"とも言われている。コンテンツ人気の立役者となったのが、同作で主演を務めたぺ・ヨンジュンだ。ドラマのロケ地を巡るツアーも流行し、ヨンジュンの来日時には成田空港におよそ3500人が出迎えるなど"微笑みの貴公子"としてヨン様ブームも巻き起こした。また、ヨンジュンに加えチャン・ドンゴン、ウォンビン、イ・ビョンホンの4人は韓流四天王としてブームを牽引したことも懐かしい。

(C)2005 By Show East CO.,Ltd. & Bluestorm co.Ltd. All Rights Reserved. (C)2005 Universal Studios All Rights Reserved
そんな空前の盛り上がりの中で、2005年に公開されたのがヨンジュンの劇場用映画主演第2作となる「四月の雪」だ。6月13日(火)にWOWOWシネマで放送される本作は、恋愛映画の名手として知られるホ・ジノ監督による大人のラブストーリーで、日本でも大ヒットを記録した。
照明ディレクターのインスは、妻が交通事故に遭ったという連絡を受けて救急病院に向かう。病院には、同じく夫の事故で駆けつけたソヨンがいた。二人は看病のためにしばらく滞在することになるが、警察から互いの伴侶が同じ車に乗っていて事故に遭ったことを知らされる。現場に残された所持品には、彼らが不倫関係にあったことを示す証拠があった。心に深い傷を負いながら看病の日々を送るうちに、二人は苦しみと悲しみを共有する者同士として心を近づけていく...。
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(C)2005 By Show East CO.,Ltd. & Bluestorm co.Ltd. All Rights Reserved. (C)2005 Universal Studios All Rights Reserved
インスを演じたヨンジュンは、愛する妻の裏切りに戸惑い傷ついた心情を抑えた静かな演技で表現した。言葉は少ないが虚ろな瞳からは信頼があっけなく崩されていく絶望感が漂う。意識不明の妻を前に、ぶつけようのない怒りや悲しみを抱え今にも壊れてしまいそうな危うさを感じさせる。
同じ傷を抱えるソヨンと感情や時間を共有するうちに、惹かれ合っていく。ふとした微笑みにも情熱的な視線にも、インスの光と闇が入り混じる。隙間を埋めるように愛し合う姿は、官能的でどこか儚い。ソヨンを見つめる横顔や物憂げな表情は美しく切なく、物語に引き込ませ、観る者の心を揺さぶる。降り注ぐ季節外れの雪のように、強い印象を残した。
相手役ソヨンは、映画「私の頭の中の消しゴム」(2004年)などでトップヒロインとして活躍していたソン・イェジンが演じた。可憐な雰囲気ながら瞳の奥には悲哀や寂しさを秘める。イェジンは当時20代前半だったにも関わらず、不思議と成熟した大人の色香を漂わせた。絶妙な間の取り方やふとした瞬間の表情でさえ自然で、ソヨンの複雑な心の内をリアルに感じさせる。その堂々たる演技から、彼女が演技派として高く評価されてきた理由がよく分かるだろう。
貴公子と清純派の二人が挑んだダブル不倫映画として話題を呼んだ本作。傷ついた心に芽生えた揺れる想いを細やかに描写し、許されぬ恋に落ちてゆく男女の切なさや背徳感を鮮烈に映し出した。現在は実業家として活躍しているヨンジュンは表舞台で見ることは少なくなったが、イェジンは前述の「愛の不時着」でヒロインを務め再び注目を集めた。それぞれの道を歩んでいる二人だが、本作で見せた静謐な中に美しく光る演技は今も色褪せない。
文=中川菜都美
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