涙の貴公子と呼ばれた「天国の階段」から20年、クォン・サンウが多くの共感と支持を集めた「情けないけど憎めない」リアルなおじさん像
2023.5.19(金)

日本に第一次韓流ブームが巻き起こった2000年代、アジア中で空前のヒットを記録した伝説のドラマ「天国の階段」(2003年)でトップスターへと上り詰めたクォン・サンウ。その人気ぶりは凄まじく、"涙の貴公子"として不動の地位を確立した当時の熱狂を記憶しているファンも多いことだろう。
近年でも、「推理の女王」といったラブコメディシリーズや、ハードなアクションが話題を呼んだ映画「鬼手<キシュ>」、「ヒットマン エージェント:ジュン」などで主演を務め、新たな魅力を創出。今年8月で47歳を迎える今も"イケおじ"な魅力を放ちながら、トップ俳優として第一線で活躍し続けている。

(C)Content Wavve Corp.
そんなサンウが約2年ぶりにドラマ復帰し、"情けないけど憎めないリアルなおじさん像"を見事に体現した話題のコメディドラマが「危機のX(原題)」だ。
サンウの近年の代表作として知られる映画「探偵なふたり」シリーズのキム・ジョンフン監督と再びタッグを組み、相棒役のソン・ドンイルとも共演を果たした本作は、韓国のエッセイ「おじだから痛い(原題)」が原作。WAVVEオリジナルドラマとして配信されると、WAVVEオリジナルコンテンツ全体で首位を獲得、さらには新規加入誘導作ドラマ部門2位を記録するなど、改めてジョンフン監督との相性の良さと、頭抜けたコメディセンスを証明してみせた。

(C)Content Wavve Corp.
サンウが演じた"おじさん"は、名門大学を卒業後、大企業に勤務し成功した人生を送っていると自惚れてきた自称エリート。ところが、リストラを言い渡された日を境に人生が一変。どうにか立て直そうと投資に手を出すも、懸命にやればやるほど株は暴落し大損失を出してしまう。追い打ちをかけるように住宅価格は暴騰し、次々と危機が襲いかかる。カーディテイリングのスタートアップ企業・ルシドに再就職し、急落した人生の再起を図るのだが...。

(C)Content Wavve Corp.
タイトルにもある通り、本作では"危機"に次々と直面するおじさんの転落人生が、情け容赦なく描かれていく。時には目を背けたくなるシビアな現実にぶち当たり、目を血走らせ、怒り狂い、絶叫する。そんなおじさんの壮絶な人生劇場は、同情心すれすれの共感を呼ぶ一方で、サンウの弾けたコミカル演技が笑いへと見事に転化させている。

(C)Content Wavve Corp.

(C)Content Wavve Corp.
仕事のみならず、ストレスによる円形脱毛症など心身の不調まで現れ、悩みは尽きない。"イケおじ"はどこへやら、子どものようにはしゃいだり情けない表情を見せたりと、まるでジェットコースターのように感情が揺れ動く。人生の崖っぷちで足掻くおじさんの様子はどこかチャーミングでもあり、その絶妙なコミカルさに、笑いがこぼれ、時に涙させられる。
その躊躇のない生き生きとした壊れっぷりは、コメディ俳優としてのサンウの力量を如実に表しているといえそうだ。

(C)Content Wavve Corp.

(C)Content Wavve Corp.
また、「女神降臨」(2020年)で注目を集めたイム・セミが、おじさんの妻役に起用された。サンウとは実年齢で11歳差となるが、怒ったり呆れたりしながらも落ち込んだ夫を優しく勇気づける"ソウルメイト"のような妻を好演した。
さらに、「探偵なふたり」で名コンビぶりを発揮したソン・ドンイルは、おじさんの"メンター"のような役割を担う町の名医役で出演。2人の息の合った掛け合いは、これまで何度も共演してきたサンウとの絆を感じさせ、味わい深い人生ドラマに絶妙なエッセンスを加えている。

(C)Content Wavve Corp.
経験を積み重ねながら第一線を走り続けてきたベテラン俳優、そして同世代となった今のサンウだからこそ体現できる、リアルな"おじさん像"。その等身大の演技は、親しみを抱かせ、俳優としての厚みを増したスケールの大きさを感じさせる。そして、真正面で演じ切ったおじさんの力強い姿からは、まるで今を懸命に生きる人々へ向けたエールが込められているようにも見受けられた。
文=中川菜都美
放送情報
危機のX(原題)
放送日時:2023年5月24日(水)23:00~
※毎週(水)23:00~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
-
生田斗真の父性がにじみでた表情にも注目!鬼の形相のバイオレンスアクションも話題の「Demon City 鬼ゴロシ」
提供元:HOMINIS2/26(水) -
山崎賢人ら「キングダム」チームの気迫が感動に誘う!ドラマもアクションも集大成となった「キングダム 大将軍の帰還」
提供元:HOMINIS2/26(水) -
ムロツヨシがコミカルな雰囲気を封印し、硬派な刑事を演じた作品「連続ドラマW 雨に消えた向日葵」
提供元:HOMINIS2/24(月) -
若かりし玉置浩二が怪演!単なるホラーにとどまらない映画「プルシアンブルーの肖像」
提供元:HOMINIS2/24(月) -
ソン・ジュンギの貴重な生歌唱や黒歴史のダンスも...!愛する妻子や心境の変化を率直に明かした、キャリア初の音楽トーク番組が反響
提供元:HOMINIS2/22(土)