結婚後の来日ファンミも話題に！イ・スンギが、相性抜群のイ・セヨンと体現したじれったい「大人の恋模様」

2023.5.12(金)

2022年の大晦日に開催された毎年恒例の授賞式「2022 KBS演技大賞」において、最高賞にあたる大賞に輝いたイ・スンギ。共同受賞のチュ・サンウクが主演した「太宗イ・バンウォン～龍の国～」が重厚な時代劇であるのに対し、スンギが主演した受賞作「ルール通りに愛して！」はコミカルなラブロマンス。特に、共演した女優イ・セヨンとの"ケミ"が大きな支持を集めた。

かつては"国民の息子"と称されたスンギの豹変ぶりが話題を呼んだサイコスリラー「マウス～ある殺人者の系譜～」(2021年)から一転。高い評価を集めた「ルール通りに愛して！」では、スンギが持ち前のチャーミングな魅力を存分に発揮している。

韓国で400万ビュー超えの人気ウェブ小説をドラマ化し、元検事の主人公と弁護士のヒロインが衝突しながらも距離を縮めていく様子を描く本作。正義に燃える弁護士のキム・ユリ(イ・セヨン)は、気軽に法律の相談できる"ローカフェ"を作ろうと物件を借りるが、その大家はかつての同級生、キム・ジョンホ(イ・スンギ)だった。仲が良かったにも関わらず疎遠になっていた2人は、オーナーと借り主として再会を果たすが、ジョンホは検事を辞めてWEB小説家となっていた。

スンギ演じるジョンホは、WEB小説家と言いつつも、家賃収入があるためニートのような悠々自適な生活を堂々と送る怠惰な男。そのくせ細かなところは神経質で、物件の借り主から昼ご飯をお裾分けしてもらったのにも関わらず、「1日の適切な塩分量は...」と知識を交えながら小言を放つような偏屈なキャラクターだ。

ともすれば嫌味な男になってしまいそうなジョンホ役だが、スンギが愛嬌たっぷりに演じることでどこか憎めないユニークな人物、といった印象に。冷静かつ太々しい態度で御託を並べる姿には若干イラッとするが、相手に強く出られるとたじろぐ変わり身の早さ、トレードマークの赤ジャージにサンダル履きというダサダサなファッション姿でも得意げ。イタい雰囲気を漂わせてはいるが、回が進むにつれてその独特な言動が癖になってくるから不思議だ。

中でも「花遊記＜ファユギ＞」(2017年)以来の共演となったイ・セヨン演じるヒロイン・ユリとのやりとりは相性抜群。長年姿を消していたジョンホと再会し鬼気迫る顔でまくし立てるユリ、その"圧"に負けじと語気を荒げていくジョンホ...と、テンポの良い会話がユーモラスで、もはや夫婦漫才のような阿吽の呼吸が見事だ。

近年のイ・セヨンは、「王になった男」(2019年)ではヨ・ジング、「赤い袖先」(2021年)ではジュノ(2PM)の相手役を務め、抜群の"ケミ"を発揮したロマンス時代劇が高く評価されてきたが、現代劇の本作でもその魅力は健在。実年齢で6歳差のスンギとのコミカルな掛け合いは、本作最大の見どころだ。

物語が進むにつれ、ジョンホとユリの間に漂う温度は次第に上昇。実は17年もの間、ユリに片想いしていたジョンホだけに、単なる同級生の再会では括れない気まずさや、どことなく色っぽい男女の空気感まで、次第に想いを通わせ合う心の距離感を巧みに浮かび上がらせていく。

好きなのに嘘ばかり並べてしまうジョンホとそんな態度に反発してしまう素直になれないユリ。じれったくもキュンとするような不器用な大人の恋模様に惹きつけられること必至だ。

4月に女優イ・ダインと結婚式を挙げ、5月12日・14日には来日ファンミーティング「LEE SEUNG GI ASIA TOUR 2023『少年、道を歩く』」を行うなど、公私ともに新たなキャリアを築いているイ・スンギ。彼の魅力が詰まった近年の代表作だけに、この機会に改めて見返したい1作だ。

文＝HOMINIS編集部

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