カンヌ国際映画祭・審査員賞受賞作「帰れない山」のナレーションを担当した三上博史が夢を追う愚直な社長を演じた「連続ドラマW 下町ロケット」
2023.4.21(金)
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三上博史主演の「連続ドラマW 下町ロケット」(2011年)。原作は池井戸潤の同名小説で、これまで何度もテレビやラジオでドラマ化されてきたが、三上が演じる主人公・佃航平は一味違う優しさを纏っている。5月5日公開のカンヌ国際映画祭・審査員賞受賞作「帰れない山」のナレーションを担当し、語り掛けるような穏やかで心地よい声が高い評価を得た、彼ならではの主人公となっている。
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⒞2011 WOWOW INC.
急死した父が経営していた中小企業・つくだ製作所を継いだ佃航平が、大企業からの幾多の圧力にも負けず、意地とプライドを懸けて社員たちと共に奮闘する激アツストーリーだ。
宇宙科学開発機構の研究員だった佃は、ロケットエンジンの設計ミスで打ち上げ失敗した過去があった。父からつくだ製作所を引き継いだ後もロケット開発の夢が諦めきれず、社員たちと研究を続けていた。しかし、それには多額の資金が掛かり、経営は苦しくなるばかり。追い打ちをかけるように、大企業・ナカシマ精機から特許侵害で突如訴えられ、90億円の賠償金を要求されてしまう。当然、そんな大金を支払えるわけもなく、そもそも特許侵害というのも怪しい話。佃は裁判で戦う決意をするものの、顧問弁護士は大企業相手に弱腰で、メインバンクにも融資を断られ、あっという間に経営破綻の窮地に追い込まれてしまう。そんな折、佃の元妻の友人で弁護士の神谷涼子(寺島しのぶ)が訪ねてくる。聞けば知的財産権を専門とし、ナカシマ精機の顧問をしている大手弁護士事務所とも少なからず因縁があるという。大きな協力者を得て一歩前進した佃のもとを、もう1人、訪ねてくる人物が...。日本有数のトップ企業・帝国重工の宇宙航空部長・財前(渡部篤郎)だった。
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⒞2011 WOWOW INC.
財前は帝国重工社長肝いりのロケット開発の研究を任されていたが、中核を担うエンジンバブルシステムの特許を既につくだ製作所が持っていると知り、20億円で特許の譲渡を持ちかけてきたのだった。確かに20億あれば、ナカシマ精機との裁判が長引いたとしても勝機が見える。しかしながら、佃は社員を集めて演説する。「創業以来、技術を大切にしてきた。その誇りを大企業が踏みにじろうとしている。社員みんなの力が必要だ。力を貸してほしい」と。金がかかり過ぎるロケットエンジン開発が本当に会社の利益になるのか? 裁判沙汰で大口取引のキャンセルが相次ぐ中、会社は存続できるのか? 不安を抱えていた社員たちに、佃の言葉が突き刺さる。
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⒞2011 WOWOW INC.
特許は譲らない――。それが、佃の出した答えだった。
幾重にも立ちはだかる大きな壁を、1つずつ乗り越え、時には壊しながら、大企業相手でも対等にやり合う佃航平。会社を守るため、社員とその家族を守るため、佃は己の信じる道を突き進む。信念を貫くことができるのは、自分を、社員を、これまで培ってきた仕事を、信じられたから。雨に打たれても、汗にまみれても、その生きざまは輝いて見える。
仕事へのプライドを持つことは、それは簡単ではないけれど、佃のように真っ直ぐに生きられたら...そんな風に思える、明日への活力になる物語だ。
文=石塚ともか
放送情報
連続ドラマW 下町ロケット #1~5(全5話)
放送日時:5月20日(土)1:30~
放送チャンネル:WOWOWプラス映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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