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当時12歳の森本慎太郎(SixTONES)の澄んだ瞳や健気さが尊い!和製「フランダースの犬」と名高い映画「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」

2023.4.18(火)

連続ドラマ「だが、情熱はある」でKing & Princeの高橋海人とW主演、南海キャンディーズ・山里亮太役で出演しているSixTONESの森本慎太郎。そもそも森本がジャニー喜多川氏からスカウトされて事務所に所属したのは、まだ9歳の時。SixTONESの最年少メンバーではあるが、地道にキャリアを積んで現在に至ることはファンならよく知るところだろう。そんな森本が12歳の時に初主演した映画が「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」だ。

(C)2009映画「スノープリンス」製作委員会

脚本は「おくりびと」でアカデミー賞に輝いた小山薫堂で、メガホンをとったのは「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の松岡錠司。主題歌は当時、ジャニーズJr.の森本が率いた限定ユニット・スノープリンス合唱団による「スノープリンス」でNHK紅白歌合戦にも出場した。森本が演じているのは母を亡くし、父と別れ、祖父と犬のチビと暮らしている10才の少年・草太。名作「フランダースの犬」に着想を得たという本作の舞台は昭和11年の北国。雪多い村での草太と愛犬、チビとの絆、村いちばんの資産家の娘・早代(桑島真里乃)との淡く切ない恋に涙せずにいられない。小学生でスカウトされたのも納得の美少年、森本の澄んだ瞳、健気で強い生き方を体現した演技が光っている。

■貧しい生活の中、絵描きを目指し、懸命に生きる少年を演じる

(C)2009映画「スノープリンス」製作委員会

風が吹き込む山の掘立小屋で祖父と生活している草太は、貧しくて学校に通うこともできないが、ある日、幼なじみの早代と子犬を拾い、チビと名付け、出かける時はいつも一緒に行動するようになる。お嬢様の早代の父親(香川照之)は、2人が遊ぶことを反対しているが、ピアノが得意な早代と絵が上手い草太は子供といえど芸術家気質で、お互いに惹かれあう関係がごく自然に描かれている。今の時代で言うと"格差"が2人を阻むわけだが、切ないのみならず、ワクワクする子供時代のファンタジックな冒険も盛り込まれているのが良い。寂れた村にやってくる移動サーカスにチビを連れて2人で忍び込んだり、学校に通う男子生徒3人に見たこともない青い色の土があると教えられ、山奥の伝説の池までみんなで線路づたいに歩いて怖い目にあったりと名画「小さな恋のメロディ」や「スタンド・バイ・ミー」に通じる世界観と厳しくも美しい日本の冬の風景が違和感なく混ざりあっている。お腹いっぱい食べることもできない暮らしの中でもサーカスで出会ったピエロ(浅野忠信)を「神様だ」と目をキラキラさせて絵を描き、早代が自分のために弾いてくれたピアノの音色をチビと一緒に純真無垢な顔で聴き入るなど、森本の豊かな表情には目を見張るものがある。

(C)2009映画「スノープリンス」製作委員会

■じいちゃんの言いつけを貫き通した草太の生き方に感涙

草太が人を羨むことなく、小さな身体で働き、相棒のチビと助け合って生きてきたのは祖父の教えがいつも頭の中にあったから。「人を憎んだり、恨んだりしてはいかん。自分が悲しくなるだけだ」と言うじいちゃんの言葉が辛い時にはきっと草太の頭の中に鳴り響いていたに違いない。本作は俳優としての森本の原点として、男のコらしい凛とした顔、悲しさに打ちひしがれて涙を流す顔、どの表情も尊く、幸せや生きることについて考えさせられるのも透明感のある森本の少年性がスクリーンに焼き付けられているからではないだろうか。

文=山本弘子

放送情報

スノープリンス 禁じられた恋のメロディ
放送日時:5月17日(水)6:45~
放送チャンネル:WOWOWプラス映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります