吉高由里子が演じる天真爛漫な検事から元気をもらえるお仕事ドラマ「正義のセ」!
2023.4.9(日)

「お仕事ドラマ」というジャンルがある。近年の女性の社会進出を受けて、女性が活躍するものも多くあり、プロとして責任と誇りを持って仕事に臨む姿や、プライベートにおける恋愛模様などが描かれる。さまざまな業界の内情が垣間見られたり、苦難にあっても乗り越えていく主人公から元気を貰ったりできるので、人気ジャンルの1つとなっている。
そんなお仕事ドラマの話題作に次々に出演しているのが吉高由里子だ。女優デビューを果たした2006年の映画「紀子の食卓」では第28回ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を受賞。また、最近ではラブサスペンス「最愛」で第110回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演女優賞を受賞するなど、演技力の高さには定評がある。
お仕事ドラマでも、"定時で帰ること"をモットーにWEB制作会社で働くディレクターを演じた「わたし、定時で帰ります。」や、スクープを狙う週刊誌の記者を演じた「知らなくていいコト」など、吉高が主演した作品はどれも好評を博している。
中でも印象的なのが、2018年に放送された「正義のセ」。原作は阿川佐和子のシリーズ小説で、吉高は主人公の駆け出し検事・竹村凜々子役を務める。凛々子は活発で喜怒哀楽がすぐ顔に出てしまう性格。検事は感情的にならずに客観的に事件を判断しなければならないが、物語ではのっけから吉高演じる凛々子の魅力が爆発する。
第1話で被疑者から聴取を行なう前に、「やるぞぉぉ~」と気合を入れるポーズは、見ていてじわじわくる妙な魅力がある。その後の聴取では怖がったり、激高したり、泣いたりと感情を隠さない。自由すぎて、検事をサポートする事務官の相原努(安田顕)にたしなめられることも多いが、自分の感情に素直な凛々子につい惹かれてしまうのだ。
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その一方で正義感に溢れる検事として、被疑者の嘘を暴くために積極的に行動する。相原を振り払って建設会社に話を聞きに行こうとするシーンでは、有無を言わせず歩みを進める姿に芯の強さを感じる。また、証拠が足りないために不起訴になりそうな時には、涙をこらえながら「正義って何なんですか?」と先輩の検事たちに問う。
天真爛漫で親しみやすいキャラクターで知られる吉高が、真っ直ぐで、自分を隠さない凛々子を演じているからこそ安心して感情移入でき、同時に検事という仕事が持つ堅いイメージが払拭され、視聴者はドラマの世界にすんなり入っていける。吉高が持つ人間性と演技力が、本作のドラマとしての魅力を高めていると言ってもいいだろう。
最初の案件である建設会社でのパワハラ事件に続いて、凛々子は殺人事件や結婚詐欺事件、交通事故など難しい事件も担当することになる。時々無茶もするが、真摯に事件と向き合い、真実を明らかにしていく凛々子に影響されて、最初は小言の多かった相原や、冷たい態度を取っていた先輩検事・大塚仁志(三浦翔平)も次第に協力するようになっていく。
そして物語が進むと、相変わらず喜怒哀楽は激しいものの、凛々子も一人前の検事らしい顔を見せるようになる。お仕事ドラマになくてはならない、さまざまな経験を経て主人公が成長していく姿も、しっかり見ることができるのだ。
検事として真実を暴く痛快なシーンはもちろん、恋や家族とのほのぼのシーンなど、プライベートな場面も充実している本作。仕事に疲れている時に視聴して、凛々子から元気をもらってはいかがだろうか。
文=堀慎二郎
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