向井理が初挑戦の松本清張作品で、冷静かつ情熱を秘めた演技を見せた「松本清張ドラマスペシャル 死の発送」
2023.4.6(木)
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戦後の社会派ミステリーの大家として、没後30年以上たってなお広く親しまれる作家・松本清張。清張作品の特色といえば、登場人物が犯した事件の背景を、社会的な事象にまで掘り下げ、文学作品へと高めた描写の確かさ。そして旅好きというバックボーンから、鉄道などがしばしば重要なモチーフになっており、土地から土地へのダイナミックな移動、場面転換が多くの読者を楽しませてきた。
そんな清張作品と映像作品との親和性は非常に高く、これまで数多くの清張作品が映画化・テレビドラマ化されてきたが、1961年に発表された「死の発送」は長らく映像化されてこなかった。そんな中で、2014年に向井理主演で初の実写化を果たした作品が、フジテレビ開局55周年特別番組として制作された「松本清張ドラマスペシャル 死の発送」である。この話題のドラマが4月22日(土)に映画・チャンネルNECOで放送される。
ゴシップ記事などを取り扱う「週刊ドドンゴ」記者の底井武八(向井理)と津村亜紀(比嘉愛未)は、編集長の山崎治郎(寺尾聰)から、10億円横領罪の刑期を終え出所したばかりの元官僚の岡瀬正平(矢柴俊博)を監視し、スクープを狙うよう命じられる。横領した10億円のうち、3億円が行方不明となっており、岡瀬はきっと現金の隠し場所に回収しに行くはずだ、というのが山崎の見立てだった。
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©ケイファクトリー
だが競走馬トレーニングセンター、神楽坂の料亭街に立ち寄る岡瀬の後を追う中で、底井と津村は岡瀬の姿を見失ってしまう。その後、2人は岡瀬が千葉県勝浦の墓地で絞殺死体で発見されたと知らされる。そして、岩手県水沢の林の中では、トランク詰めにされた別の死体が発見される。しかもトランクを発送したのは、その被害者本人だということで、事件の謎はさらに深まっていく。
劇中で事件の真相を追っていく底井たちだが、次第に厩舎や競走馬などに関連する人物たちの存在が浮かび上がってくる。そこで重要となってくるのが競馬のシーンだ。本作では盛岡競馬場を使った撮影を行っており、作品世界にダイナミックなリアリティーをもたらしている。
主演を務めるのは、本作が清張作品初挑戦となった向井理。向井演じる底井は、ジャーナリストとしての挫折を経験し、くすぶっていたが、とある事件を境に、ジャーナリストとしての矜持を見いだすようになっていく。
そんな冷静さの中に情熱を秘めた底井という役柄は、向井理という俳優が持つクールさ、そしてその中に秘めた熱さといったものに重なっているように思う。また、次から次へと浮かび上がる謎を解決するために、津村演じる比嘉愛未や、編集長の山崎を演じる寺尾聰らとのバディー感をもって対処していく様も、この作品世界に非常にマッチしている。
文=壬生智裕
放送情報
松本清張ドラマスペシャル 死の発送
放送日時:2023年4月22日(土)11:00~
放送チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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