にじさんじ所属VTuber・叶が初ソロイベント『叶 1st Concert「午前0時の向こう側」』を開催！「5年の活動をひとつの物語として表現しました」

2023.3.29(水)

突然天使の如く舞い降りてきた超癒し系男子として、ゲーム配信を中心に多くのファンから人気を集め、YouTube総再生回数3億回を超えるにじさんじ所属のバーチャルライバー・叶(かなえ / KANAE)。2022年7月27日に1st mini album 「flores」をリリースし、アーティストデビューを果たした彼の初ソロイベント『叶 1st Concert「午前0時の向こう側」』が3月16日に、グランキューブ大阪 メインホールにて開催された。

ステージ上のスクリーンに映し出された時計の秒針が時を刻み続けた後、懐中時計を手にしたパジャマ姿の叶が、鏡の中にいるもう一人の自分と出会うまでのストーリーを描いた映像が流れる。「それはこの時計に触れたことからはじまった眠れぬ夜に起きた僕の『いくつかの可能性』の物語　キミを連れて行こう　午前0時の向こう側へ」という叶のナレーションののち、鐘が鳴り響く。しばしの静寂が会場を満たすと、白いロングコートに白いシャツ＆ワイドパンツに身を包んだ叶が、客席に手を振りながら「皆さんお待たせしました！　『午前0時の向こう側』開演です！一緒に最後まで楽しんでください！」とあいさつ。シルエットだけのダンサーと共に「ブロードキャストパレード」を優しい歌声で披露する。

しかし、途中で音楽はノイズとともに止み、戸惑いの表情を浮かべる叶。時計の針が巻き戻り、時の狭間に閉じ込められた彼の前に、黒いシャツとスリムパンツ、ポニーテールという新衣装に身を包んだ叶が現れ、「さあ、夜はこれからだ」と宣言し、クールでアグレッシブなEDM「Midnight Showcase」、ドラマチックなミドルナンバー「ANEMONE」をスタイリッシュなダンスと共にパフォーマンス。続くボカロ曲のカバー「アクシデントコーディネイター」でも、甘く柔らかな声でドラマチックな楽曲の世界観を表現した。この日、初のMCでは、配布された無線制御式ペンライトを使って客席＆配信視聴者とコミュニケーションを取るなど、配信者らしい一幕もあった。

再び、2人の叶がステージに現れ、言葉を交わす中、グレーのニットと、黒のカーディガン＆パンツというリラックスファッションの叶が登場。ポニーテールの叶と語り合うという、バーチャルライバーならではの演出の中、「セイテイノア」をスタイリッシュに歌い上げ、ラストにはウインク＆投げキッスを客席へ届けた。

疾走感あふれる切ないEDM「ハルを追いかけて」に続いて、椅子に座ってのメロウなナンバー「水性のマーブル」を歌い終わると、パジャマ姿にミディアムヘアという初期デザインの叶が、メガネをかけて現れる。ボカロ曲のカバー「青色が怖くなったんだ」「晴天を穿つ」、そしてRADWIMPSの「大丈夫」では、どこまでも真っ直ぐで切ない歌声を聴かせた。再びポニーテール叶が登場し、「K/D Dance Hall」「Jam Jam」というダンスチューンで、ファンを魅了しているセクシーな巻き舌歌唱と、華麗なダンスを披露した。和ぬかのカバー曲「絶頂讃歌」でのスタイリッシュなパフォーマンスに続き、叶が作詞を手掛けた「惜別」を歌い上げたあとは、時の狭間に閉じ込められた叶が解き放たれる。そして、「君と僕が出会えたように、ささいな運命が歯車を回すかもしれない。さあ、君を連れて行こう。午前0時の向こう側へ」と囁き、本イベントのテーマソングでもある新曲「針音」が披露された。最後は「声を聴かせて」を熱唱し、叶は一度、ステージを後にした。

アンコールの拍手に導かれ、再びステージに現れた彼は、「ありがとね」と、観客にさりげない感謝を示し、オリジナルの新曲「No.9」「優しい人にならなければ」を歌い上げる。そして、MCでは「今回のライブは、自分自身との問いかけというか、僕も5年も活動していて、自分の中での変化があったりしたなかで、そういう気持ちをライブでひとつの物語として表現した、にじさんじでも初めての形式のコンサートになります。不思議な懐中時計を手に入れて始まった物語が、僕の中にいるいろんな僕や、僕を俯瞰して観察している僕とそれぞれ対話をしていくという形で展開させていただきました」と、本コンサートのコンセプトを語った。そして、8月30日リリースのシングル「How Much I Love You」からの先行配信曲「わたしのリンゴ」、そして「ブロードキャストパレード」のフルバージョンを披露。最後は客席に向かい、「愛してるぞ！」とメッセージを贈り、記念すべき1stコンサートは終演した。

文＝中村実香

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