ニュース王国

佐野勇斗が「人生負け組」の青年のヘタレな性格と成長した姿を見事に演じ分ける!横浜流星主演の映画「嘘喰い」

2023.3.28(火)

「嘘喰い」に出演する佐野勇斗と横浜流星
「嘘喰い」に出演する佐野勇斗と横浜流星

ダンス&ボーカルユニット「M!LK」のメンバーとして高い人気を誇り、多くのファンに愛される佐野勇斗。3月末からツアーが始まるなど精力的に活動を続けているM!LKはもちろんのこと、俳優としても大活躍中だ。

2015年公開の映画「くちびるに歌を」で俳優デビューを果たした佐野は、その後もさまざまなドラマや映画に出演。世界観に沿って役になりきる演技力には定評があり、2018年公開の「ちはやふる -結び-」では、プライドが高くクセのある人物・筑波秋博役を演じきり、第28回日本映画批評家大賞の新人男優賞を受賞している。

その評価は高まる一方で、今年も多くの話題作に出演予定。4月に公開予定の劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~」には、ドラマ版と同じく臨床工学技士・救命士の徳丸元一役で出演。また、4月3日(月)スタートのNHK夜ドラ「おとなりに銀河」では、主役の久我一郎役を演じることが決まっている。

そんな佐野がこれまでに出演した作品の中で、ぜひ注目してほしいのが2022年公開の映画「嘘喰い」だ。シリーズ累計1000万部を超える大ヒット漫画を原作とした本作の舞台となるのは、"賭郎(かけろう)"と呼ばれる闇ギャンブル倶楽部が政財界や裏社会を牛耳る架空の日本。主人公は"賭郎"の頂上決戦に敗れ会員権を剥奪された天才ギャンブラーで、横浜流星が演じる"嘘喰い"こと斑目貘。佐野が演じるのは、斑目のバディとして登場する梶隆臣だ。

(c) 迫稔雄/集英社 (c) 2022 映画「嘘喰い」製作委員会

梶は、友人に勝手に保証人にされたことがきっかけで闇金に追われる身となった日雇いのフリーター。「俺の人生、クソみたいなもんですから」というセリフが示すように、うまくいかない人生に対して半ば投げやりになっている。自販機で当たりが出て大喜びしたり、ふとしたことで知り合った斑目に連れられて行った闇カジノで大金を手にした後、見境なく豪遊する姿は、特別な才能もないごく普通の青年にしか見えない。

しかしギャンブルの熱さを知り、その時に「生きているって気がした」と感じてからは、斑目のバディとして命を懸けた勝負に挑み、人間的に成長していく。

斑目のそばにいさせてほしいと頼む時には、人生を懸ける思いが伝わる真剣な表情を見せる。一時遠ざかっていた斑目と再会した時は、真摯で素直な空気を纏って「もう一度そばにいさせてください」と語り、「今度は死ぬかもしれないよ?」と告げられても笑顔で応える。さまざまな過程を経て、原作において"2人目の主人公"との呼び声の高い梶が、本作の中でも存在感のあるキャラクターになっていくのだ。

ヘタレなところもあるが、表情豊かで自分に素直。ピンチになれば声を裏返らせて叫び、斑目に指カンチョーされて飛び上がるなどギャグもこなす。そんな梶を佐野がしっかり演じているからこそ、クールで何を考えているか掴めない天才ギャンブラー・斑目の凄さが際立ち、物語に厚みが増す。本作は佐野の演技力の高さと幅の広さによって、より魅力的な作品になっていると言えるだろう。

最後に行なわれる命を懸けた大勝負で、斑目と梶はどんな戦いを見せるのか。極限まで追い詰められた梶の心情を、佐野はどう表現するのか。物語の行方と佐野の演技、そして成長してゆく梶の姿から、最後まで目が離せない。

文=堀慎二郎

放送情報

嘘喰い
放送日時:2023年3月30日(木)5:20~
チャンネル:WOWOWプライム

放送日時:2023年4月8日(土)5:00~
チャンネル:WOWOWシネマ

※放送スケジュールは変更になる場合がございます