大沢たかおの巧演は俳優デビュー当時から光る!台湾マフィアになりきった映画「新宿欲望探偵」
2025.4.26(土)

ファッション雑誌のモデルをきっかけに芸能活動をスタートさせ、1994年にドラマ「君といた夏」で俳優デビューした大沢たかお。その後もドラマ「星の金貨」(1995年放送)や、映画「ゲレンデがとけるほど恋したい。」(1995年公開)といった話題作に出演し、脚光を浴びた。
演技力の高さは誰もが認めるところで、主演映画「解夏」(2004年公開)で第28回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞、ドラマ「JIN-仁-」(2009年放送)での第63回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演男優賞など、数多くの賞を受賞している。
近年もその活躍はとどまるところを知らず、大ヒットコミックの実写映画化「沈黙の艦隊」(2023年公開)で主演とプロデューサーを務めたことが話題になったり、映画「キングダム」シリーズでは秦の大将軍・王騎を演じ、最新作「キングダム 大将軍の帰還」(2024年公開)で第48回日本アカデミー賞で最優秀助演男優賞を受賞したりと、今や日本のエンターテインメントになくてはならない存在となっている。
そんな大沢のデビュー当時の演技が味わえる作品としてチェックしておきたいのが、1994年公開の映画「新宿欲望探偵」だ。主演は寺尾聰で、飲んだくれの元刑事・草薙凰介を演じる。大沢が演じるのは、新宿で勢力拡大を目論む台湾マフィアのボス・王良だ。
草薙の元上司で、何かと草薙の面倒を見ていた岩田が、ある日ラブホテルで死体となって発見された。岩田の死の真相を追う草薙が、鍵となる女性を捜して台湾クラブを訪れた時に出会ったのが王良だった。
■大沢たかおの容姿が活かされた魅力的なシーンに惹き込まれる!

(C)Softgarage
2人の最初の出会いは、雑居ビルのエレベーターの前。突然現れた暴漢を部下がねじ伏せたあとに、王の姿が映し出される。輝くような額と頬、後ろに流した髪。相当な男前だが、暴漢が目の前で痛めつけられても、その瞳は静まり返っている。そんな王の立ち姿からは、"危険な匂い"が強く感じられる。
勢力争いで相手のボスを部下が殺すシーンは、さらに強烈だ。強いライトに照らされ陰影が深く出ているため、鋭い眼差しと頬が際立ち、まるでマネキンのように美しく、かつ、冷酷な印象を受ける。そういったシーンにハッとさせられるのは、モデルとして活躍していた大沢の魅力が十分に発揮されているからなのだろう。
■底しれない恐ろしさを醸し出す...台湾マフィアになりきった大沢の演技にも注目
大沢の演技も非常に印象的だ。事件を嗅ぎ回る草薙に忠告するシーンでは、揺るぎない視線が人としての深さを感じさせ、ゆっくりとした口調と抑揚には、じわじわと染み込んでくるような存在感がある。王の横顔も、美しくありながら、底しれぬ恐ろしさを感じさせる風情がある。
物語の中の王は総じて冷静で、多くの命を奪ってきたような雰囲気さえ漂っている。それが野性味あふれる草薙と好対照となり、結果としてお互いを引き立て合っている。それも、大沢が台湾マフィアにしっかりなりきっているからであり、俳優デビュー当時から印象的な演技で魅せてくれる大沢の力量はさすがというほかない。
物語は岩田の娘や、刑事の広田らを巻き込み、それぞれの思惑が絡み合いながら進行していく。草薙と王の戦いは、果たしてどんな結末を迎えるのか。若き日の大沢の魅力と演技が味わえる作品として、ぜひ見ていただきたい一作だ。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
新宿欲望探偵
放送日時:2025年5月12日(月)23:00~、2025年5月21日(水)7:55~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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