ニュース王国

内野聖陽、寺島進、大塚寧々ら名優が揃う!広告代理店の内幕を背景に描くサスペンス「シリウスの道」

2025.4.18(金)

内野聖陽、寺島進、大塚寧々が共演した「ドラマW シリウスの道」
内野聖陽、寺島進、大塚寧々が共演した「ドラマW シリウスの道」

「JIN -仁-」で演じたワイルドでパワフルな幕末の志士・坂本龍馬役から、「きのう何食べた?」で見られる恋人が作るごはんが大好きな"乙女系"美容師まで、圧倒的な演技力であらゆるキャラクターに確かな体温を与える俳優・内野聖陽。そんな内野が、さまざまな思惑がうごめく広告代理店で活躍する男性を熱演したヒューマンサスペンスが、2008年に放送されたドラマW「シリウスの道」だ。

大手広告代理店「東邦広告」で営業部副部長としてパワフルに仕事をこなす辰村祐介(内野)。ある日、辰村は画廊で3人の子供が明るく輝く星を眺めている絵を見つける。自分と幼なじみの明子、勝哉が描かれているように思えて、その絵に心を奪われる辰村。そんな折、彼の部署では予算18億円という大型案件の獲得プロジェクトが始動することに。個性的なメンバーと共にコンペの勝利に向け邁進する中、辰村はクライアントである「大東電気」の次期社長と目されている常務・半沢智之(田中健)に呼び出される。半沢のもとに向かった辰村は、半沢の妻となった明子(大塚寧々)に、"明子の過去の秘密を世間に公表する"という脅迫文が届いていると告げられる...。

原作は「テロリストのパラソル」、「てのひらの闇」などで知られる直木賞作家・藤原伊織の同名小説。彼がかつて働いていた広告代理店の内幕を背景に、1人の男の人生の軌跡を描いた社会派サスペンスを映像化した本作。主人公・辰村を演じている内野は、仕事一筋の熱血ビジネスマンを好演。無精ヒゲに半年はカットしていなさそうな無造作なヘアスタイル、常に忙しく動いているがゆえにコートを手に持って歩いている、といったビジュアルの面からも、辰村がいかに多忙で仕事熱心なのかを的確に伝えてくる。

その一方で、後輩の失態には共にクライアントのもとに赴き、いつもは緩めているネクタイをしっかり締めた上で率先して頭を下げるという、ビジネスマンとしてのオン・オフを明確に表現。その解像度の高さに驚かされる視聴者も少なくないはずだ。中でも、土下座という方法で契約継続を勝ち取った後輩・戸塚英明(黄川田将也)に対し、「仕事の時は胸を張れ」と熱血指導を行う場面での迫力溢れる演技に注目を。

内野が演じる辰村は、幼い頃の自分たちが描かれたような絵画に出会ったり、明子の過去を暴く脅迫文が夫の半沢宛に届いたりといった出来事が重なり、運命に導かれるように、共に大きな秘密を抱えるかつての親友・浜井勝哉の元に辿り着く。

浜井を演じる寺島進は、近年は熱くエネルギッシュな役柄を演じたら右に出る者はいない個性派俳優として、大きな存在感を示している。そんな寺島がいつものパワーをグッと抑え、身の内にさまざまな情熱を隠しながら生きる浜井を控えめかつ繊細に演じ、寺島という役者の底力を鮮やかに印象づけている。特に、さまざまな思いが胸の中に去来しているにも関わらず、そんな様子を全く感じさせない辰村と浜井との25年ぶりの再会シーンでの関西弁による会話劇は、内野と寺島という、日本を代表する名優によるあまりにも自然な演技が、多くの視聴者を魅了するはずだ。

辰村と浜井に救われたものの、紆余曲折の人生を歩んできた明子を演じる大塚寧々や、辰村の戦友でもある上司・立花英子役の真矢ミキ、辰村たちを支える派遣社員・平野由佳役の栗山千明など、脇を固める俳優陣も超豪華な本作。多感な思春期時代に、幼なじみの3人で見上げたおおいぬ座の一等星・シリウスをモチーフに、誇り高く生きる男の姿を描く158分の超大作ドラマを、内野と寺島の名演に注目しながらじっくりと味わってほしい。

文=中村実香

放送情報【スカパー!】

ドラマW シリウスの道
放送日時:2025年5月10日(土)13:15〜、2025年5月29日(木)15:45〜
チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合がございます