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三川華月×花澤香菜、アニメ「にんころ」収録前に起こったコスプレ事件を振り返る「モジモジしちゃって...」

2025.4.8(火)

アニメ「忍者と殺し屋のふたりぐらし」に出演する三川華月と花澤香菜
アニメ「忍者と殺し屋のふたりぐらし」に出演する三川華月と花澤香菜

アニメ「忍者と殺し屋のふたりぐらし」が、4月10日(木)より、順次放送開始となる。

忍びの里から抜け出したくノ一の草隠さとこ(CV:三川華月)は、倒れていたところを通りすがりのクールな女子高生・古賀このは(CV:花澤香菜)に助けてもらう。そんなふたりの前に、里からの追手が!絶体絶命のピンチのなか、さとこではなくこのはが返り討ちに。なんとこのはの正体は殺し屋だったのだ!

今回、「世間知らずのくノ一」と「殺し屋の女子高生」の危険な共同生活を描く本作を深掘りするべく、三川華月と花澤香菜にインタビューを実施。それぞれが演じたキャラクターはもちろんのこと、収録中に巻き起こった印象的な出来事を語ってもらった。

――演者として、この物語の世界に飛び込んでみていかがでしたか?

三川「やってることは残忍なことも多いんですけど、ハンバーガー先生の原作の面白さ、ポップさ、みんなのかけあいの面白さがあってこその『忍者と殺し屋のふたりぐらし』なので、世界観に入ってお芝居するうえではずっと楽しく、たまに素で笑っちゃうこともありました」

花澤「笑っちゃうよね〜。基本みんなボケなので、私たちがツッコミながら見るというとっても面白い物語なんですけど、やはり、原作とシャフト(アニメーション制作会社)の力が合わさったときの爆発力は本当にすごいなと思いました。絵コンテの時点で『なんだこの構図は!』と思いましたし、第1話の冒頭も『こういうアニメなの?』という作画になっていましたし、いろいろな工夫や遊び心が散りばめられていて、見ていて飽きないものになっていました」

――おふたりが演じるキャラクターの推しポイントを教えてください

三川「さとこちゃんは、とにかくまず行動で『とりあえずやってみる』素直すぎる子。素直さ故の残忍さは、さとこちゃんのいいところでもあり、『大丈夫かな?』と心配になるところでもあります(笑)。でも、そのすべてが愛おしさにつながっていますね」

花澤「冷静だし、強いし、クールなところが第一印象としてはあるんですけど、たまにデレたり、美味しいものを食べて『にこーっ』て笑ったり、可愛いところもあるので、そのギャップが魅力なのかなと思いますね」

――そのギャップを見ると「素敵!」ってなりますよね

花澤「そうなんです。やってることはひどいんですけど、ちょっといいところを見せると『いい子なのかも!』って思っちゃいますよね〜。ずるいんです...。皆さん、騙されないでください!」

三川「(笑)」


――演じながら「意外とこういうところがあるんだ」と気づいたことはございますか?

三川「いや、ずっとあるんですけど(笑)、最初健気でちょっと可哀そうな子なのかなと思っていたら、意外と肝が据わってる。だって、隣に殺し屋がいるのに平然としていて...」

花澤「そうね。さとこちゃんは、このはちゃんが倒した相手を楽しんで葉っぱに変えてるところがあるよね(さとこは、ものを葉っぱに変える忍術が使える)」

三川「そうなんです。このはさんに対する思いが強いし、『このはさんが喜んでくれたら嬉しい。私の能力って生かされるんだ!』みたいな、意識はしてないにしろ、物事をプラスに捉える力があるのかなと思います。そうしてポジティブで楽観的なところがありつつ、『おしゃれしてみたい』とか『みんなに見られたい』とか、『この子、今どきだな』と思うところもあって。毎回驚きはありましたね」

花澤「原作を読んでいてあまり感じていなかったけど、演じてみると、さとこちゃんにどんどん執着していくというか、自分でコントロールしたくなってるところがあるなと気づきました。本当に束縛の強いパートナーみたいになっていくところが面白いです(笑)」

――第1話からそんなにおいは感じていました

花澤「フワっとありますよね。さとこちゃんはそれに気づいてない(笑)」

三川「手のひらで転がされてる(笑)」

花澤「さとこちゃんをほっとけないんでしょうね」

――キャラクターを演じるうえで、意識したところは?

三川「皆さんがどういうお芝居で来るのか、台本でも想像はできるんですけど、やはり声が乗るとさらに魅力が増すので、本番では、そこに対して新鮮に反応できたらいいなと思っていました。ただ、『私』のままで反応しちゃうと、さとこちゃんとはかけ離れた心情もあるので、"さとこちゃんだったらこうかな"と予測しつつ、素直な反応もするというバランスは見ていましたね」

花澤「どんなに大変なことが起きても冷静で淡々と喋っているけど、ツッコミを入れるときは、腹に力を入れてちゃんとツッコむように意識しています。あと、淡々としたなかにも、繊細な心の動き、ちょっとした揺らぎがあるようには演じていますね」

――ボケ・ツッコミのやりとりも魅力的でした。リアクションの面ではどんなところに気を付けていましたか?

三川「全体的な流れを見て『ここはやりすぎてもいいか』、『ここはちょっと引いた方がいいか』と予測してはいくんですけど、たとえば第1話だったら、香菜さん演じるこのはちゃんが予想よりもすごい圧できたので、絶妙な反応ができたんです。監督さんや音響さんが『テストの新鮮なやつも活かしたいです』とおっしゃってくれたのですが、そういった私が想像していない反応が出ることがあるので、どう転ぶかわからないなと思いつつ、楽しんでやっていますね」

花澤「基本ツッコミタイプではあるので、さとこちゃんの出方を見つつ、その場の雰囲気でやるようにしています。ただ、周りの温度が上がってると私も一緒に上がりそうになっちゃうので、このはちゃんのテンションの中でやる、というのは気を付けていました」

――共同生活をするふたりの関係性についてはどんなことを感じていましたか?

三川「まだ第1話では感じられないかもしれないですけど、傍から見てるとツッコミ甲斐があるカップルだなって思います(笑)」

花澤「そうね、カップルだよね。ついたり離れたり、話によって関係性が変わるんです」

三川「普段は『こんなことあるらしいですよ』、『ふーん』みたいな、目を合わせずとも話してる熟年的なやりとりもあって」

花澤「そうそう(笑)。主にこのはちゃんがぞんざいに扱っちゃうんですけど」

三川「さとこちゃんも気にしないというか、受け入れるんです」

花澤「他のキャラクターも出てくるんですけど、その人たちによって少しずつ関係性も変わってきますね」

――収録中にあった印象に残った出来事を教えてください

花澤「第1話の収録がハロウィンの日だったんですが、はるちゃん(三川)が忍者の格好をしてきてくれたんです」

――最高じゃないですか!

花澤「そうなんです。でも、1話の収録だったし、はるちゃんと初対面の人も多かったので、誰もツッコミを入れることができず(笑)、私が来るまでソワソワしていた...というかわいそうなエピソードがあります(笑)」

――三川さん的にはどんなお気持ちだったんですか?

三川「ハロウィンだし、家からこの恰好でも変だとは思われないだろうな、捕まりはしないかなと思って...」

花澤「あはは(笑)」

三川「私も賭けではあったんですよ。最初にマネージャーさんと合流するんですけど、挨拶をした瞬間、『本当にそれで来たんだね』みたいな顔をされて(笑)」

花澤「めっちゃ引かれてるじゃん(笑)!」

三川「現場のスタッフさんに挨拶をしたときも『忍者のアニメだから忍者なんですね!』と言ってくださる方もいれば、『この子は多分こういう子だから、そこにツッコむのも野暮だろう』と考えたであろう方たちも半数いて」

花澤「(それぞれアプローチは違うが)皆さん受け入れてくださる方々だったんだ(笑)」

三川「私も着てきたからにはもっとテンション高くいけばよかったのにモジモジしちゃって(笑)。『香菜さん、早く来ないかな』と思っていました(笑)」

花澤「私が来たころには、もう諦めていたのか、忍者の服を半分脱いでいて、上半身は忍者じゃなかったんです(笑)。はるちゃんから話を聞いた後、みんなに『忍者の恰好で来たんだってー!』ってお知らせして」

三川「そうしてくださったことで、『あえてやった恰好だったんだ』と皆さんに知っていただき、誤解も解けました。香菜さんに負担をかけてしまいました」

花澤「忍者の紫の衣装、結構ガチ目の色だったよね(笑)?」

三川「そうなんです。さとこちゃんの着る鮮やかな紫って調べてもそんなに出てこなくて...。なので、渋い紫の忍者になってしまいました(笑)」

取材・文=浜瀬将樹 写真=内田大介

放送情報

アニメ「忍者と殺し屋のふたりぐらし」
放送日:4月10日(木)より順次放送開始
放送局:TOKYO MX、カンテレ、BS11、AT-Xほか
原作:ハンバーガー
声の出演:三川華月、花澤香菜、芹澤優、喜多村英梨、大久保瑠美ほか